ばらかもんたんぺん
□東京の住人
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「おー、半田にレイ」
「先生! 鹿田さん!」
空港について家へ向かう電車に乗り、駅から出たところに川藤と神崎がいた。
「なんでお前らがここに」
訝しげな目で二人を交互に見る清。
「お前のお袋さんに頼まれたんだよ、駅まで迎えに行って欲しいって」
「ブフッ、子どもか……!」
「レイ黙れ。まあ川藤はともかくとして、なんで神崎まで」
「先生が東京に帰ってこられると聞いて飛んできました」
神崎は目を輝かせて言った。どんだけ清のこと好きなんだこいつ。信者か。
……あれ? 今日平日じゃね?
「神崎って高校生じゃなかった?」
しかも受験生だよね。ヒロと同い年だし。
「先生のためなら何処へだって行きますよ」
「信者だ……」
「まあそれは置いといて、早く行くぞ。神崎は呼ばれてないからここで解散」
川藤が親指で後ろを指してそう言った。当然清信者の神崎は膝から崩れ落ちる。
「あんまりですよ! せっかく高校をサボってまで来たのに!」
暴れ始めた神崎を、すれ違う人々は白い目で見た。うわ、恥ずかしい。
「他人のフリしよう。あそこは川藤に任せて行くぞ」
清がこそこそと家への方向へ向かって行くので、私も遠慮なしについて行った。
さらばマイフレンド川藤。精々頑張れよ。