悪役のチケット １
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………
「………？」
肉の裂けた音は確かにした
血が飛び散る音もした
だがいつになっても痛みは襲って来ない
……私は斬られてない？
男が自傷？
あり得ない、
じゃあ…何が、何故…
「はっ!?てめぇ、なっ!?」
男がすっとんきょうな声を上げる
………私の真ん前に人の気配がする
何時の間に、男の仲間か？
だとしたら非常に不味い、男が混乱してるうちに逃げなければ…
「目障りなんだよな…」
「てめ、今、腕……」
「うるせぇ」
ボファァ…
「ぎゃあああ！ば、ばけも……」
「化け物？はっ」
全く状況が理解できない
物が近くで燃えている音はする、パチパチと爆ぜる音もする
が、熱が全く伝わってこない
男が怯え
目の前の……少年？は鼻で笑う
肉の裂けた音、燃える、化け物、怯える
………全くわからない
今、私の目の前で何が起こってる？
目を開くも、広がるのは白
「ば、化け物どもめ!!殺してやる!!」
「………」
ドガッ
―ﾎﾞｷﾘ
「ぐふぉ……」
嫌な音がした
骨の折れる音
何？、何？
何が起こってる？
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