悪役のチケット １
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藁で編んだ大きな籠を背負い、出発
ついこの間見つけた山の深くにあるリンゴの巨木をするする上り
めぼしいリンゴを籠に入れていく
籠がだいぶ重くなってきた
次はみかんだな
うーん……葡萄ももげたらいいなぁ
リンゴの巨木の天辺の枝に座り、リンゴをかじりつつ、みかんの木を探す
ｻﾞﾜｻﾞﾜ……ｻﾞﾜ
ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ…
「ん……？」
風もないのに山の木々が揺れ、鳥が一斉に飛び立つ
「地震…？」
それにしては今日の山は静かだったし…
地震が起こる際、動物達は僅かな地盤のずれ、磁力の変化に気がつき、安全な場所に移動するため山は煩くなる……はず
ﾄﾞｫ…
ザワザワザワ…!!
何か、爆発音らしき音の後
山、森が激しく揺れ
私の座るリンゴの巨木も揺れる
「わっ……」
私の食べかけのリンゴが手から滑り落ち、地面に落ちて行く
私が座る枝から地面まで約120メートル
リンゴの落ちる様子に青ざめながら枝にしがみつく
揺れが収まったのは10分後
私はリンゴの巨木を降り
町の様子を見る為、森を突っ切り、島の表の町へ向かった
ネア叔母さん大丈夫かな……
森を抜け、町の様子が目に入る
……建物には何の変化もないな…
町の路地裏を走り、メインストリートに入る道を抜けた時
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