悪役のチケット 1

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翌日





「キミが、ティーチね」

「はい、そうです……」



私の家にやって来たのは

母さんによく似た容姿の女の人



「はじめまして、アタシはネア
キミのママの姉、つまりキミの叔母よ、よろしくね」



ポンポンと頭を撫でるネア叔母さん



「はい……」

「姉さん……」

「わかってるわ、」





「ティーチ、私が今日からキミのママ」

「……え、ど、どういう事ですか!?」

「…ママじゃなくて、“ママの代わり”よ」

「母さんの代わり…!!?」


一体絶対、どういう事?



なんでネア叔母さんが私の“ママ代わり”?



「な、んで?私の母さんはネア叔母さんじゃない、です」

「……キミは最低でも1年、この島から離れなければならないのは、ママから聞いてるよね?」

「聞きましたけど、嘘っぱちでしょ……?」

「……嘘じゃないわ、ティーチ」

「かあ、さん?」

「メア、アンタしっかりこの娘に話してないでしょう!」

「でも!この子にはまだ早い!!」



なにを?何が早いの?

なにを?話してないの?



「メアの気持ちもわかる、でも!少しでもティーチに事情を話さないと!」

「う……っ、そうしたらティーチは!!?」

「アタシがこの1年、責任を持つ」

「ダメよ!姉さん!!」



なんの話?

まさか海軍の話と関係あるの?



「………母さん、ネア叔母さん、私に教えて、なんの話?」

「………ティーチ」

「姉さん!!“まだ”教えてはダメ!!!」

「少しだけだ……」



ネア叔母さんは私の肩を掴んでしゃがみ、私に目線を合わせる



「ティーチ、キミがこの島を出なければならない理由を少し、ほんの少しだけれど、話そう」

「おねが、します」



妙な焦りと緊張で呂律が回らない



「ティーチ、キミはマーシャル・D・ベイカーの娘だ」



マーシャル・D・ベイカー



私の父の本名だ



「彼、マーシャル・D・ベイカーは底知れぬ剛力の持ち主だった

『ベイカー少将は山を拳で砕き、海を蹴りで割る』そんな噂が一時期巷で流れたものだ」



「彼の剛力は鍛えから来るものではない
“異常”な身体の造りから成るものだった」



「そんな彼に子供ができた時
海軍はこう思った
『ベイカーの子供がもし、剛力の遺伝子を継いでいたら、もし、海軍の敵にでもなったりしたら』」



「海軍は結論した





『その子供は危険』と」





ち、ちょっと待って、



私が、危険……?

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