悪役のチケット 1

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それからは早かった



父さんの棺は私の家近くの丘に埋葬された



葬式には沢山の海兵達がいた



母さんは何故か殺気立ってたけど





葬式から1年





「ティーチ、おいで」

「うん?」



母さんが椅子に座り

手を広げている



私はためらうことなく母さんに飛び込む



「ティーチ、よく聞いてね」

「かあさん?」



よしよしと私の頭を撫でる母さん



「貴方は明日、メイブルー島を出なければならない」

「え……?」



これまで見たこともないくらい真剣な母さんの顔



「な、なんで……」

「海軍が、ティーチを拐いに来る」



なんで、なんで海軍が?



「今は話せないの、でもいつか、いつか話す。だからティーチ、貴方はこの島を出るの」

「な、なんで?あなたはって、かあさんは?」

「おかあさんはこの島に残って海軍をまくわ」

「よ、よくわかんないよかあさん
なんで?なんで海軍が私を…?」

「今は、話せないの……
1年、1年だけティーチは秋島のロヴァ島に旅行に行くのよ?」

「いち、ねん、ながいよ、かあさん、どうしちゃったの?」

「ごめんなさい、ティーチ
貴方はおかあさんのお姉さんに面倒を見てもらうから、心配ないわ」

「心配ないわけないよ、海軍が来るんでしょ…?
とうさん死んだからもうかあさんと私には用はないでしょ?」

「ごめんなさい、もう、なにも話せないの、言う事を聞いてお願い、ティーチ……」



母さんは泣きながら私を抱き締めた





どうしちゃったの、母さん



父さんが死んで、何が起こったの?



わかんないよ



私はもう32だけど



何もわかんないよ、母さん

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