悪役のチケット 1
□5
1ページ/1ページ
私が住む春島、「メイブルー島」は比較的平和な島だ
島自体が小さいので海軍駐屯地はない
磁力が弱いので海賊なんて滅多に来ない
山賊は居るけれど揉め事ご法度の山賊の様で島の人々は安心している
波はいつも穏やか
主に漁業が盛んな静かな島だ
港
私は父さんと一緒に散歩をしている
うん、潮風バンザイ、気持ちいーよ
「おとうさん」
「ん?」
「おとうさんは、こんどいつかえってくる?」
父さんは海軍少将
忙しいのかなかなか家に帰ってこない
「そうだな……いつになるかなぁ……」
「わかんないのか……」
なんだ、予定とか教えてくれればいいのに海軍のお偉いさん
「………ティーチ」
「ん?」
「お前だけは海軍になるなよ」
「………ん?」
「自由に、何者にも捕らわれずに生きろよ」
「…………うん、」
「それが、父さんの願いだ」
そう言って父さんは私の母さん似のウェーブした髪をゆるゆる撫でた
私には
父さんがなぜいきなりこんな話をしたのか
よく、わからない