浅河物語(仮)

□一歩も退(ど)かない毒りんご!
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〜のどか草原〜
(語り:浅河)
草原の緑に映える鮮やかな赤と、青──否、正確には紫か。ともかく一般的なリンゴの色ではないそれだけを狙い打つ。
「ドップラーヾ(゚Д゚)ノ゛」
果実の下半分を占める大きな口を開けて、こちらへ向かってくる…それを上から、あるいは横から叩いて一撃で仕留める。
骨つきの鶏肉の唐揚げのような、一見武器には見えない形の棍棒。標的のリンゴも硬球より大きく、当てることは存外容易でござる。
「アップラーヾ(゚Д゚)ノ゛」
赤は避けて、
「ドップラーヾ(゚Д゚)ノ゛」
紫を打つ!
…なお、赤いリンゴは毒がないので食べられるそうでござる。
しかし口を開けて襲いかかってくるものを食べようとは思わぬでござるなあ(ノ∀`)
「今ので十二か…」
紫の毒りんごを八十個撃破せよ、とのこと。制限時間は三十分でござるが、十分あるいは五分で終えることが理想でござる。しかし…
「アップラーヾ(゚Д゚)ノ゛」
赤ばかりで紫が出ないこともござる。見つけさえすれば逃げることはないが、思いのほか無為に時を費やしてしまう。
「このままでは間に合わぬ><」
今宵も阪神甲子園球場にて“ないたー”でござる。我らが“べいすたあず”を応援するため、一刻も早く帰らねば!
「ドップラーヾ(゚Д゚)人(゚Д゚)人(゚Д゚)ノ゛」
一度に三個…!
「ドップラーヾ(゚Д゚)人(゚Д゚)人(゚Д゚)ノ゛」
後方にも!?手が足りぬでござる
「ドッヾ(゚ε(●=」
「!」
攻撃する前に倒れた…?
「援護」
金髪に白いうさぎ耳の少女は、
「枇杏果(びあんか)殿Σ(゚д゚ノ)ノ」
「後ろは任せて!」
真っ赤な髪に大きなブタ耳、立派な体格の女子…
「八戒殿も…助太刀感謝でござる´`」
「いっくよー!」
八戒殿は大きな木槌を振り回し、力任せに毒りんごを蹴散らす。
「成敗」
枇杏果殿は横浜のY(?)の形の木の棒に紐がついた物…小石や硬い木の実などを飛ばして攻撃する簡素な投擲用武器を使ってござる。
「助かったでござるよ(^ヮ^)しかし…」
毒りんごに命中した弾を拾ってみると、
「種…?」
豆粒ほどの大きさの、何かの種でござるな。
「いっぱい拾った」
枇杏果殿の前掛けの袋(エプロンのポケット)に、黄色や紫の種が山ほど入ってござる。しかしこれを毒りんごに命中させ、一撃で倒すとは…意外な特技でござるなあ

(つづく?)
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