逃走したその先に

□庭師1
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“ドバアアアアアアアアアアァァァァァァァァンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!”



「うおっ!!びっくりした…って、ウッズさん!?無事に帰ってきてくれたんだね!」



どうやら扉の前に泥棒のピアソンさんが居たみたいで、驚かせてちょっと申し訳ないなと思ったけどそれどころじゃなかった。



「すっかりずぶ濡れじゃないか!
俺、タオル持っているからこれd「それよりエミリーは!?エミリーは今どこに居るの!?」


「おかえりエマ。エミリーさんなら今はフレディさんの怪我治す為に自室に…ってどうしたんだそいつ!?血だらけじゃねぇか!!」



ピアソンさんからタオルを貰い、あの子をタオルでくるませがらエミリーの居場所を聞こうとしたら傭兵のナワーブ君が教えてくれたの。

ピアソンさんもこの異常事態に気付き、私の所に来てあの子の額に手を当てたの。



「酷い熱だな。おまけにこんな大怪我…今回のゲーム、一体何があった?」


「ゲーム中にハッチから逃げようとしたら中に入っていたの!
急いでエミリーの所へ行かなきゃ!!」


「…分かった。そいつはオレが責任持ってエミリーさんの所へ連れてくから、エマも早く着替えた方がいい。
そんな状態でお前も風邪引いたら本末転倒だろ?」



とナワーブ君のその言葉で、今の自分がどういう状態かが分かっちゃったの。



「あ、それもそう…クシュンッ!」



ほれ言わんこっちゃないとナワーブ君に茶化されたけど、確かに急いで行くのならこの中でナワーブ君が一番適任だと思った。



「クリーチャーさんも薪とタオルをいくつかエミリーさんの所まで持ってきてくれねぇか?
体の先がすごく冷たくなってる、なるべく急いだ方がいい」


「分かった!本当はお前のは聞きたくねかったが、事が事だから聞いてやらぁ!!」ダッ


「私は着替えたら皆に説明してくるの!だからナワーブ君、その子の事お願いね!!」トッ


「あぁ、任せろ!」ダッ



こうして私とピアソンさんと、ナワーブ君とあの子は玄関から各々の目的の場所へ向かったの。


これが私とあの子との出逢い、そして私や皆の暗い過去を溶かし、サバイバーとハンターの敵対関係が消えるきっかけを作ってくれた…小さな逃走者さんとの一年間の話の始まりでもあったの。





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