スラムダンク長編
□恋の駆け引き4
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私が教室に戻ったのは、チャイムが鳴るギリギリだったので、藤真とは目を合わせることなく席に戻れた。
そういえば私…
藤真と席隣だったぁっ!
どうしよう、めっちゃ見られてる!
どうしよう!
と焦ってる間に授業は始まったんだけど…
藤真「…………」
貴方「…………」
気まずーい!!
まぁ授業中だから気まずいも何も無いんだけど!
1人で悶々としていると、不意に肩をトントンと叩かれた。
貴方「へ……?」
藤真「シー……」
急に隣の藤真から手紙が回ってきて、手に手紙を置かれる。
私に?と口パクで問うと、藤真は微笑んで頷いた。
『さっき戻ってきてから、ちょっと様子がおかしいけど、何かあった?』
まさか気付かれてるとは思ってなく、ビックリして藤真を見つめる。
すると藤真は前を向いたまま、目線だけをこっちに移し、早く返事、と口パクをする。
『別に何もないよ?』と髪に書いて、藤真の机にポイッと放り投げる。
すると、すぐに手紙が戻ってきた。
『嘘、どんだけ一緒にいると思ってるんだ。 X=8』
え、X=8?
全く手紙の内容が読み取れなくて、首を傾げる。
「水野!」
貴方「は、はいっ!」
「問5、答えろ」
貴方「えーっと…」
ヤバい!
手紙に夢中で全然授業聞いてなかった!
その時、ふと手元の手紙を見やる。
貴方「X=8…です」
「正解だ。座っていいぞー」
座るときにチラッと藤真の方を見ると、微笑んでいた。