スラムダンク長編
□恋の駆け引き1
1ページ/2ページ
貴方「藤真の好きな人って、誰?」
そういうと、大きな目をもっと見開いて私を見つめる赤茶色の瞳。
藤真健司。
彼は高校一年の時から同じクラスで仲が良く、多分お互い一番大切な存在。
2人で遊びに行ったこともある。
ちなみに、私は藤真が好き。出会った時から、ずっと。
だから、きっと藤真も私のことが好きだって思ってた。
藤真「あー…水野になら教えてもいいか。」
貴方「誰?」
藤真が張り付けたような王子スマイルを見せないの、女子じゃ私だけ。
だから、絶対両想いだって浮かれてたの。
藤真「同じクラスの、山崎」
貴方「へ、…」
ふわりと笑顔を見せる彼の顔は、今まで私が見たこと無いような、穏やかな表情だった。
私が、一番だと思ってたのに。
貴方「へ、へぇ…そうなんだぁ」
藤真「あぁ。誰にも言うなよ?」
そんなの、言えるわけ無いじゃない。
臆病な私は、精一杯の作り笑いでその場を立ち去ることしか出来なかったんだ。