雲に守られし月姫

□月姫とそれぞれの家庭教師
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六道骸との戦いも終わり、平和な並盛。


『………』


「……ねえ、まだ気にしてるの?」


『………別に』


「本当に?」


『………意地悪』


「ふふ、ごめんね。あまりにもスズの反応が可愛いからね」


『…………はぁ』






何故こんなことになっているかと言うと…


あの戦いで気を失った私と恭兄は、病院に運ばれた。


そこで傷だらけの恭兄を見た私は、思わず泣いてしまったのだ。


そのときの恭兄の顔はものすごく驚いていたけど、すぐに笑って平気だと言った。


その時のことを今でも恭兄が言ってくるため、自分としてはとても恥ずかしいのだ。



「いい加減、こっち向いてくれないかい?」


『………』


「スズ?」


『………じゃあ』


「…?」


『……約束、して?』


「いいよ、何の約束だい?」


『……もう、あんな…大ケガしない』


「!?」


『……お願い、だから…必ず、約束…して?』


「……うん、もちろん。約束するよ」


『……なら、許す』









小さな約束。


それでも二人にとっては、大切な約束。











けれど…


そんな約束を自分が破るとは…














自分が恭兄を大ケガさせるとは…










この時、全然思っていなかった。



 
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