鬼灯の冷徹 長編小説
□第四地獄
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白澤との話を終えた鬼灯達は、閻魔殿まで帰ってきていた
鬼灯「…という事です、閻魔大王」
閻魔「それは…びっくりだねぇ」
鬼灯は白澤に聞いた美優の事を閻魔に報告した
「私はこれから…どうすればいいんでしょうか…」
閻魔「心配することないよ、白澤くんにも言われたんでしょ?ゆっくり思い出していけば、どう答えを出せばいいか分かるって」
「でも私、迷惑をかけてしまってばかりで…さらにこれからお世話にならなければなりませんし…」
鬼灯「気にすることはありませんよ。あなたみたいな面白い方、他にいそうにないですしね。」
「…え」
鬼灯「いえ、すいません。さて、もう日も随分暮れましたしそろそろ晩飯を食べに行きましょう」
閻魔「わ〜いご飯ご飯〜♪」
鬼灯「美優さん、行きますよ」
「はい!」
「えっと、Aランチはエビフライで、Bランチは豚の生姜焼きか〜」
美優は結構お腹が空いていたので定食を食べようと選んでいた
鬼灯「私はAランチのエビフライで」
「あっ…じゃあ私もAランチで!」
閻魔「わしはシーラカンス丼で」
「シーラカンス…!?」
注文した定食を受け取り、鬼灯の前の椅子に腰掛ける
鬼灯「いただきます」
「いただきます」
テレビを横目に揚げたてのエビフライを頬張る
「美味しい…」
鬼灯「でしょう。ここのエビフライは新鮮で大きいのばかり使っていますからね」
「へぇ〜!そういえばこの前も鬼灯様、エビフライ食べてましたもんね」
鬼灯「はい?」
「えっ…あ、あれ?」
鬼灯は今日会ったばかりなのに何故過去の事を知っているのか疑問を抱いき、また美優も自分の口から出てきた言葉に混乱した
「わ、私何言って…」
閻魔「あ〜お腹空いた〜、なんかわしのだけ用意するの遅いんだよね〜」
美優が否定しようとした時、閻魔が戻ってきて会話が中断される
鬼灯「……大王のは大きいですからね。」
鬼灯が見兼ねて受け答えをした
「えっXLですもんねっ!」
閻魔「まぁね〜笑いただきま〜す」
その話は後で、と鬼灯に小声で言われ、テレビを見ながらたわいもない会話を楽しみ食事を終わらせた
閻魔「じゃあ、わしはこれで失礼するよ。美優ちゃんの部屋割りは君に任せるから」
おやすみ〜と手を振り、自室の帰って行く閻魔大王
「おやすみなさい!」
鬼灯「あのアホ…」
「ん!?」
鬼灯「部屋割りの事です。今従業員達が物置などに使っていて、空いている部屋がないんですよ」
「あ…だ、大丈夫です!私その辺で寝れるんで、わざわざ部屋なんて…」
鬼灯「何言っているんですか!仮にもあなたは女性でしょう。そんな呑気な事を言っていると、本当に喰われますよ」
「誰に!?地獄こわっ」
鬼灯「鬼に」
「ま、まさか鬼灯様も…人を食らうんですか…?」
鬼灯「さぁ…どうでしょうねぇ」
「……(震」
鬼灯「冗談はさておき、今夜は私の部屋で寝てください」
「冗談!?って言うか、いいんですか?」
鬼灯「そこらへんで寝たいのならどうぞご自由に。襲われてもいいのならね」
「寝ます!鬼灯様の部屋で!!私まだ死にたくない!!」
鬼灯「だからもう死んでるって…まぁいいでしょう、布団を持ってくるので先に戻っていて下さい」
「はい、ありがとうございます!」
鬼灯はくるりと美優に背を向けると反対側に歩いていき、美優は微かな記憶を頼りに鬼灯の部屋へと戻っていった
…はずだった