落書き
□気づいたら片思い
2ページ/5ページ
*夢主と両思いなのに松村さゆりちゃんのモノなやるせない白石まいちゃん*
ーはるひね、まいやんのこと、好きだよ。
「好き」だなんて、今までの人生で飽きるほど聞いてきた。
それをいつも私は「ありがとう」って言葉で流してきた。
なのに、昨日はそれがうまく出来なくて。
「私も好きだよ」なんて、気の利いた言葉の一つも出てこなかった。
少し切なそうに走り去った背中を追いかけることもなく、心臓の高鳴りを噛み締めてて。
「まいやん、なんか今日調子悪い?」
「へ?」
「ぼーっとしてるし。ソファ空いてるから寝たら?」
「いや、いいの!大丈夫!!」
「…ならいいけど。」
「うん、ありがとね、ななみ。」
無理はダメだよ、って、頭をポンポンしてくれた。
やっぱ態度に出ちゃってるか…。
そりゃあ、告白された相手と同じ楽屋で過ごすなんて、誰だって緊張するものだと思う。
ただ、私がここまで気にしてるのは、やっぱり、私もあの子のことが好きだからだと思う。
ほんとなら今すぐはるひにかけよって、「私も好き!付き合おう!」なーんて、言いたい。
明日はオフだからデートに行きたいし、手を繋ぎたいし、まだ早いかもだけど、キスだってしたいし。
でも…
「みんなおはよー」
「あ…」
「あ、まいちゃん!おはよーっ!」
「さゆ…さゆりちゃん、おはよ!」
「なんやまいちゃん元気振り絞ったみたいな言い方して!大丈夫?」
「え?普通だよ!元気元気ー!」
「そっかぁ、それならええねんけどな!
いやぁ、明日のデートに支障があったらあかんから、しんどいならちゃんと言うんやで!」
「うん、ありがと!」
私には、さゆりちゃんがいる……ー