落書き

□走れ!bicycle
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生ちゃん





学校、やめよっかな…



最近、こんなことばかりを考えている。

クラスには馴染めないし、勉強もキツい。
友達といえば中学の頃の子たちだし、その子たちともそんな頻繁に遊べるわけじゃないし。

何か楽しいこと見つかんないかな…






廊下をふらふらしていると、どこからかピアノの音。

「…やば……」



並みのレベルじゃない。

耳を澄まして音を辿った。





「ゎ…」

音源は、すぐそこの音楽室だった。





ピアノを弾いていたのは、はるひと同じ制服を着ている女の子。

ショートカットの髪の毛を揺らし、体で音を奏でてた。



どうしても声をかけたくなった。

人見知りのくせに、どうしても。





「…ぁ、あの…」

演奏に夢中なのか、声が小さかったのか、彼女はこっちを見向きもしなかった。

「あの、すい「はい!」

もう一度声をかけると、すぐに返事をくれた。



「あ、えと…」

ヤバい。
何を話すか決めていた訳ではないし、うまく会話が出てこない。

「1年生?」
「ぁ、はい!」

どうもこの人は私とは違って人と関わるのが上手いらしい。

「どうしたの?」
「あー、その、演奏が聞こえてきたので…」
「あ、ファンの子?」



一瞬。
ちょっとだけ彼女の顔が曇った。

人の顔色を読むのだけは、得意だ。



「そういうんじゃなくて、すごいなぁって思って来てみたんです。」
「なぁ〜るほどぉ!へへっ、もうちょっと聴く?」

得意気な顔。

キラキラしてて、とっても可愛くて、ずっと見ていたいけど、見ていられないなって思った。







しばらく演奏を聴かせてもらって、お話をした。

同い年で、別のコース、隣のクラス。

放課後だったし、帰るまで時間もなかったから、そんないろんなことを聞けた訳じゃないし、話した訳じゃない。

だから、



「また明日も、放課後にここで待ってるね!」










明日もまた、学校に行きたい。



そう思った。



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続編を書きたい。

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