落書き
□ロマンスのスタート
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不機嫌なんだか、ぼーっとしてるんだか。
じーっと、鋭い目付きで一点を見つめてる。
視線の先には…鞄。
たぶん何を見てるわけでもないんだと思う。
「かわいい…」
「ん?」
「いや、なんもない。」
微笑むわけでもなく、何を言うでもなく。
はるひに興味が無さげな寧々が好きだ。
「さっきから何してんの?」
「寧々こそ。」
しれっと横に座るけど、こっちを見もしない。
寂しいけど、寧々だなぁ、っていう変な安心感がある。
「ね。」
「ん?」
「さっき何してたの?」
「別に。ちょっと考え事してただけ。」
「何をさ?」
「別に…ちょっとだけはるひのこと…いや、やっぱなんもない。」
聞き逃した、フリ、しといた。
さっきみたいにまた黙って一点を見つめる寧々。
不機嫌なんだか、照れてるんだか。