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こっそりひっそり。

2人だけの秘密。



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04/28(Tue) 02:00
016
ロビン

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04/30(Thu) 11:59
ロビン




放棄するのか、だなんて。

思わせ振りなことを言っておきながらその実腹の中でニンマリしていたであろうリゾルートに、私はもう悪態を吐く気にもなれなかった。

ガブリエルは大方彼女を責めたかったんだろう、そして今ならまだ間に合うと。

無かったことに、そう。

なぜだろう、なぜだか今は彼女の考えていることが手に取るようにわかる。

長らく彼女と居たからか、はたまたディーヴォの影響か。

どちらにせよ、彼女は今自分が“絶対的正義”であるかどうか疑問に思っている所だろう。

正しくありたい、そしてそんな自分を強く信じたい。

誰だって少なからず望むことで。

正しさが伝わらない、そのもどかしさの中、諦めきれないくせに諦めた振り。

…私も他人にとやかく言える立場じゃあないが、まぁ、それはそれ。

口に出して言わない限り決定打には成り得ない。

大方彼女を説得して、私との話が始まったらリゾルートを呼ぶ算段にでもなっていたんだろう。

尚更話にならないね、バカバカしい。

私は暇じゃあないんだ。



「…どうするんだ。」



勝手と思われたって構わない。

むしろ好都合。

私と彼女はこれ以上無いほど仲は良かった。

けれど、遠すぎたんだ。

フィオナと同じように。

対極。

遠からずボスやリゾルートが引き離しに来るだろうと踏んではいたが。



…正直、ツラいな。



間違いなく、今この世界中で一番愛しているのは彼女だ。

断言出来る。

家族のように、なんて。

違う、私は“家族だと思っていた”

それがそもそもの間違いだったのに。

…リゾルートは正真正銘、血縁関係。

ほら、また劣等感が顔を出す。

君がせめて“バンク”に提供してさえいてくれたら、君のスタンドで性転換して出産、なんてこともしてやれたかもしれないが。

所詮過ぎた、しかも可能性の話だ。

結局、私は何もしてあげられなかった。

こんなに愛してるのに。

あんなに愛してもらったのに。

あんなに助けてもらったのに。

あんなに、幸せだったのにね。



「…帰るぞ。」



席を立つリゾルートに促され、素直に後に続く彼女。

いつも上を行く彼女が、少しでも思い知ればいいと。

でも…寂しい。

でも嬉しかった。

なぜだろう。

わからないけれど、ただなんとなくそう感じたんだ。





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05/02(Sat) 23:05
時世




あぁ、立っちゃうんだ?



ほんとに、もう。


……なに、やってんだかなぁって、思うよ。



「……」



ほんとに小さく息を吐いてから、私も立ち上がる。

なんでフィレンツェさんはこう、肝心なところでうまくやらないんだろう。
やれるだけのモノはもってるハズだのに。

この期に及んでマジに何か考えがあるのか。

いや、ないはずもない、だってそもそも、フィレンツェさんは“敢えて”だ。


きっと。


冷静によく考えりゃあね、そりゃあね、他でもない彼自身がこれだからね。

ガガさんに、…………


……どうでもいいか。


彼が何をどう考えようが、私には関係ない。

ただ、………。


未だに、さっきまでのやり取りを聞いて尚、私は“二人の姿”描いてるから。
自分がしたこと棚にあげてね、勿論打算さ。

……フィレンツェさんの方は見ない。

退出しようとする社長、続くガガさん、少し遅れてその後ろに私。

全員、身勝手だ。

特に誰も、私も何も口にしないまま。
社長の手がドアにかかる。



「“そこ”を放棄するんですか?ガガさんが?」



後ろにくっついて行きながら、まぁ一歩一歩踏みしめて“根”で保険かけるのは忘れないが。
見送りになんて立ったワケじゃあ、勿論ないからな。



「私みたいな真似して恥ずかしくないです?
結局何をしにきたんです」



ガガさんの背中に言った。

私は、ガガさんは、

今、どんな顔してるんだろうな。

反応はない、まぁ別に構いやしない想定の範囲。
でも普通、具合が悪い時に回りをチョロチョロされたら、苛つくだろ?

それも“私”が、だ。

てめーどの口で何言ってンだって話。

此処までわかりやすく滑稽な道化よろしく挑発してるのになぁ。
大人で男で、それで女で、とか大変なことだね。



「私は“言われたから”此処にいるだけだけど、ガガさんはわざわざ自分の意思で此処に来たのにそんなので“納得”出来るんですかね」



ガガさんは言ったよね。
“放棄するの?”

社長も言った。
“放棄か”


全く勝手言うよね。

フィレンツェさんに向かってね、よくもね。
何しにきたんだ、ほんと。
このまま帰るなら、この人達は一体。

無言で去るのは諦めて“それで良い”とした人間の最後の手段だ。
それでなく去って飲み込めないなんてのは、それは違うと思うよ。
絶対納得してないもの、ガガさん。


っていうか。


ああ、あぁ、私は一体何をしてるんだろうな。

なんだって引き留めるような真似してるんだ、私は。

私からすれば、万々歳じゃあないか、さっさといなくなってくれたら、

私にはもう関係が、

なんでだろう、

でも言葉に出来ないんだ、今の心を。

結局、私にすら彼女は“言葉”にしなかったからか?
出来なかったのかもしれないが、まぁ。

私は言いたいことが言えればそれでいい、

私は自分が何をしたか理解しているし、すべからくその評価を受け入れているからそもそも反応なんか期待してないんでね。

釣れたら重畳、ダメならやっぱりってだけのハナシ。

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05/04(Mon) 03:28
ロビン






「送るよ、荷物。」



連れ立って歩く背中に。

今夜、出ていこう。

綺麗にしておかなくちゃあ。

接点が無くなれば二度と会うことも無いだろう。

車も返そう。

次はどこに住もうかな。



「――……?」



ゆっくりと足を止めたのは、リゾルート。

お優しい従兄の意を汲んで振り返ったのは、ガブリエル。

数歩後ろに佇む咲ちゃんに目もくれず、彼女は私を見て。

…それから切なげに眉根を寄せた。



「………、」



息が詰まりそうになる。

彼女を泣かせてもいいと思っていたし、そうまでしなければ離れられないと思うから。



「一つ、忠告しておこう。」



何か言いたげだった彼女の背後から聞こえてきた低い声。



「退去するならば1ヶ月前には手続きを完了させなければ物件の解約は出来ない。」



…まぁ、この流れだ。

ヤツも私の考えていることなど容易くわかったろうね。



「詳しいことは契約書に書いてある。それと、」

「なんだよまだ何か」

「こんな不毛な自傷行為はやめることだ。それぞれ。」





――…なんだって?





「いい加減にしろ。腹を括れ。覚悟を決めろ。男らしくあらずともせめて“人として”。これから先、どう進もうとな。」



…どう受け取っていいんだ、その言葉は。

取り方でだいぶ違うぞ、何なんだ急に。

好き放題言われて結局言い逃げされた私は、正直面食らっている。

なんなんだアイツ。

わけがわからない。

喧嘩両成敗って?

いやまさか。

ヤツは“彼女を擁護する”と宣言していたじゃあないか。

…不毛な自傷行為…

話し合いをさせる気が無い…?



「……なんだ…?」



軽く混乱している。

落ち着こう。

殴られる覚悟は出来ていた。

殺されそうになれば殺してやろうとも思っていたさ。

けど。

待て待て、……ダメだ。

寝よう。



上半身をソファに横たえ、片足を肘掛けに。



「…………」



そういえば。

ちらりと投げた視線の先。

閉ざされたドアの向こう側に何を求めたのか。

なんとなく察しはつくのだけど、それでも。

彼女の背中は何も語ってはくれなかった。





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05/04(Mon) 18:04
時世




………………。




「やっぱりダメだったよ」


閉まった扉に、もはや感慨はないけれど。
一拍の後にくるりと体ごと振り返って、両手を広げて言ってみた。
自分でもわかるくらいけろっとした声だった。

フィレンツェさんは既にふて寝の体勢。

なんなんだこいつ。
あほらし、意味わからん。
私は頼んでないっつーの。
こんなこと求めてもなかったっつーの。



「……毛布いります?持ってきましょうか」

「いいよ」

「そうです?じゃあ私もう帰っていいです?」



フィレンツェさんは頭痛がするとばかりに頭に手をやった。
だが知らんな。
大体ワケわかんないんだよね、最初っからいってるけどそもそもこの場に何故私を同席させたのか。

何故ガガさんに話したのか。
それ以前に何故、



「じゃあ何か飲みます?やけ酒でもいかが?」

「ダメだろ…」

「私じゃなくてフィレンツェさん。どうぞお一人で」



弱ってた時。
ほだされかけたのは事実だけど、やっぱりフィレンツェさんは私にはよくわからない人なんだ。
と、いうより自分で自分を隠す人なんだろうな。
そりゃ、わからないよ。
私なんかにはね。



「……で、どうするんです。ボスもプロシュートさんもかまかけてきますよ。最悪諜報のお出ましですよ?」



って言葉を継ごうとしたけど、フィレンツェさんはだぁるっっっっそうだし、なんか今は突っつくのは“可哀想”な気がした。
それにそういえば感じていた吐き気を思い出して慌ててトイレに駆け込んで。
とはいえ吐くモノなんかすでにないし。

しばらくして落ち着いたらほんとに、フィレンツェさんはバカなことしたなぁ、って。

思って。



「ッ!!」

「可哀想だと思う?」



色々思い直して、身繕いして部屋に戻ってソファ(に横になったフィレンツェさんの上)に腰を下ろした。
流石にびくってしてた、



「こうなった今、どうよ」



どうもなにもないだろうにって?
顔色悪いよフィレンツェさん、ああやっぱり邪魔せずに寝かせてあげるべきだったかな。

……ははっ、



「なんでもないや、お休みなさい。あっ、鍵はちゃんとかけて寝てくださいね、いくらなんでも!」



………そうそう、私は、こういうやつさ。
思い出したよ、やっと。
こんなんになる前の私。

あっけらかんと気にせずに笑い飛ばして。

強くはなかったけど、弱くもなかった頃の私。

こんな時なのにちょっと嬉しく思った。
だから馴れ馴れしくフィレンツェさんを軽くぽんぽん叩いて、じゃっ!って立ち上がって敬礼モドキを披露して、ちゃっちゃと背を向けてさっさと部屋から、……逃げ出した。

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