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こっそりひっそり。

2人だけの秘密。



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04/12(Sun) 23:43
ロビン






成長とは、未熟な過去に打ち勝って乗り越えること。



「…ラファエルさんは?」

「帰ったよ。」



いつまでも立ち止まってはいられない。

いたくない。



「コレ、君に。」

「………はぁ。」

「まぁ受け取ってやってよ。」

「あー、はいはい。」



暗闇の中。

方角も目的地もわからないまま。

散々寄り道して、引き返して。

近道をしたはずがとんでもない回り道だったことも少なくない。



「2週間に1度、検診に来るようにってさ。」

「はぁ、」

「無理そうなら往診でもいいって。」

「はぁ。」



未だ見えない光。

未だわからない目的地。

でも、



「――はは、結構早かったな。」

「…ガガさん?」






これだけは、譲れない。






「そう、ガブリエル。」



無言で、静かにソファへ腰を降ろした彼女。

俯いて、手を膝の上で組んだ。

エンジンを切って。

歩道に降りた彼女は、短い階段をコツコツと革靴の音を響かせながら。



「――プロント、開いてるよ。」



一拍置いた後震えたケータイに、そう告げると。



「…ごきげんよう、2人とも。」

「チャオ、ガブリエル。」



…少し疲れた表情のガブリエル。

挨拶を交わし、ソファへ促す。



「何か飲む?」

「気遣いは結構よ。」

「…そう、わかった。」



対面に座り、その長い脚を組んだ彼女。



「どういうことか、ご説明願えるわね?」



ふっと、ガブリエルは彼女を見据えた。

凝視するアイスブルー。

てっきり触れられることはないと思っていたのか、彼女は一瞬固まっていて。



「…はッ、フィレンツェさんと話してからのがいいんじゃあないですか?」

「なぜ?なぜそう思うの?」

「……、喧嘩してるのはそちらでしょう?」

「そうね。でも私はあなたから聴きたいの。なぜなら今私は“彼との喧嘩のより優先して片付けるべき問題”があるから。」

「………」

「大体の話はわかったわ。私の推察も交えて、だけれど。」

「勝手なこと――」

「“勝手なこと言わないで、あなたはフィレンツェの代わりにルークを選んだ、だったら私はルークの代わりにフィレンツェを選んだ”――合ってる?」





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04/13(Mon) 11:51
時世




こ れ だ か ら 。



……やなんだよ、やだったんだよガガさん。
いらんことまで暴きたてるというか。

いや、流石にそこまで言う気はなかったんだけどね。

まぁ、ガガさんが言うならそうなのかもしれない。

でもガガさんがフィレンツェさんのこと好きなの、私はしってるし。
彼女は社長との方が付き合い長くて、身内でもあるから甘えるのわかるし、いやそれが正直むかついていたのも事実ってか嫉妬ね。
でもってフィレンツェさんはフィレンツェさんで、ガガさんが自分を社長の代わりにしてるんだ、とか言っちゃってたし。

私だって、…………。

でもまぁ、フィレンツェさんだってガガさんが大事なんだから、……あれれ?



「っと、……ね」



あんまり長く沈黙してるワケにもいかないよね。

受けます、ご指名とあらば。

ってか“彼との喧嘩のより優先して片付けるべき問題”とか大仰過ぎない?
大事なのは二人の仲だろ、私なんぞ些末だろ?

そもそもその“問題”って何よ?



「関係あるんですか?
私が何をどう思ったからって何か事実に変化でも?」

「関係、……そう、あなたはどう思ってソレを言っているの」

「私はないと思いますが、ガガさんはそうではないと思っている、ということはわかります」

「だからその“事実”の説明をさっきから求めているのだけれど?」



彼女もお優しいからな。
ガガさん相手じゃ熱くなったら負けだ。
感情でゴリ押しできる人じゃあない。

しかし“説明”っていわれてもな、フィレンツェさんどこまで話したんだろう。

ってか凝視やめてもらえませんか。



「事実っていうんなら私はただ、遺伝子が欲しかっただけですよ?まぁやることやったんで申し開きはとくにありません」

「…………」

「フィレンツェさんどころか社長すら見ていなかったのかも。ガガさんなんていなくてラッキーくらいにしか思えなかったし」



ストレートに怒ってほしいんだが、そうはいかないか……これくらいの挑発にはのってくれないよね。

だけどほんと凝視勘弁してなんかこわいから。

せめてなんか言ってくれ、いや言わなくていいや。
どうせ責める言葉じゃなくて問いを重ねる言葉だろうから。



「だからそうですね、お怒りは最もだと思いますよ。
自身は勿論、あなたの大事なその二人共を、こんな小娘に“侮辱”されたワケですから」

「言うこと、言いたいことはそれだけということでいいのかしら。それは」

「……、すみません。
騙し討ちなんです、私の…私が突っ走ったせいなんです」



だから、だから早くフィレンツェさんと。

…しかし此処まで言ってしまって、今更謝罪なんかしてもしゃらくさいだけだろ……。

あぁもう、どうしろっていうんだ。

っていうかこれでいいんだよな、フィレンツェさんまさか私が妊娠云々までは言ってないよ……ね?

っていうか。

顔をそらしてもまだ、視線を感じるんですが。
なんなんですか、やめてください。
自分を棚に上げてなんだけど、ほんとやめて。

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04/14(Tue) 06:18
ロビン






本当はね、多分、ヤケ起こして暴れてしまいたいのよ。

事の発端はきっと些細なことだったはず。

私たちの場合はね。



“勝手なこと言わないで、あなたはフィレンツェの代わりにルークを選んだ、だったら私はルークの代わりにフィレンツェを選んだ”



我ながらイヤな台詞だわ。

誤算、そう言い切るにはあまりにもままならない現実。

色々なしがらみ。



「私ね、…どこから説明したらいいかしら。ま、とりあえず黙って聞いてちょうだい。話はそれからよ。」



顔を背け我関せず。

悪びれる素振りさえ無い彼女は、何をどこまで想定しているのかしら――



「“妊娠”したのよね、フィレンツェの子。」




あぁもう、ホント嫌。



「ミラノに来た時にね、気になって電話したの。あなたが彼と寝たことはすぐにわかったわ。身代わりにしたのならその先も欲するのが人情ってものよ。むしろ、それが目的だったんだろうって。でなけりゃあそんな危ない橋渡るわけないもの、まして顔見知りの同業者。」



だからね、



「人のことをとやかく言えないけど、フィレンツェも大概甘いから。彼は拒まない。拒めない。それに私に、…ルークに対して思う所があるなら盛大な仕返しが来るだろう、とかね。」



自分の声が遠く聞こえる。

錯覚。



「そして劣等感を優越感にすり替えようとして失敗したあなたは私の所まで来たわけだけれど。…フィレンツェ。」



あなたも勘違い甚だしいわ。



「私はね、好きよ。あなたのこと。誰より愛してる。」

「グラッツェ…」

「でも何故今の今まで曖昧にしてきたかわからないでしょう?」

「わかるよ。」

「そう。」

「“ヴェローナ”と“フィオナ”、“ミランダ”…だろう?」

「…そうよ。ご明察。合ってるわ。でもまぁ、今は話を戻しましょう。」



とにかく。



「咲ちゃん、彼の全てを知っていて?」

「…もう喋っていいんですか。」

「えぇ。」

「じゃあ遠慮なく…」





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04/14(Tue) 11:08
時世


遠慮なく言わせて貰う。



「取り合えずフィレンツェさん死ねばいいのに。
…間違えた、死んどけば良かったんじゃない?」



視線は誰にも向けないまま吐き出した言葉。

ガガさんが何を言いたいかはわからないけど、取り合えずフィレンツェさん最悪だわふざけんな畜生。

“妊娠”言ってるしおいその時点でまだ私流れたと思ってたハズだよなァー?


……ほんとくそやろう。


甘い?(下衆だけど)
あぁ知ってるさ私にすらつけこませるくらいだからな、当然他にもそうした人もいるだろう。

大体フィレンツェさん女運悪いどころでなく“ない”しな。



「本人が話してくれるならいざ知らず。他人の過去暴く趣味ないんで」

「そう、それで?
実際あなたは彼を何処まで知っていると思って?」

「どうでもいいし、知りませんよそんなの。逆にフィレンツェさんだって私に感情があるワケじゃなし」



私は欲しかったモノを結果的にはてにいれた。
そこに感情なんて介在してはいない。

私も大概だけど、
フィレンツェさんが下衆野郎なのは今に始まったことじゃあないし。

この恥ずかしがり屋のごとき、二面性のある作り物みたいな瞳とか。

害がなければ触れずにおいてやるものだろ?



「っていうかいつまで私?フィレンツェさんと話されたらいかがです?」

「あなたもわからないわね……“知らない”からといって、知らなかったからといって罪にならないワケじゃあないのに」

「そうですね、危うく騙されて堕胎薬飲まされかけましたからね。
もう全部諦めて最期に全部壊そうと思ったけど情が勝って出来なかったどころか、横からやられて逆ギレしたい気分ですけど」



フィレンツェさんの思惑とかどうでもいい。

仕返しとか、理解できないっての端からみて、ガガさんとフィレンツェさんは充分すぎる、くらい。

そこに“愛”はあったんじゃあないかなぁ、って。

……まぁ、それを言ったら私とリゾットだって、



「“ヴェローナ”と“フィオナ”と“ミランダ”……でしたっけ?確か」

「あら知ってるの?」

「さあ、忘れました。どうでもいいしね」



あぁ面倒くさい。
責めるなら責めてくれればいいのに。
怒らなくてもいいからさ。

それで、早く解放してくれたらいいのに。

ガガさんには、あんたはもういいわ、って失望された方が楽な気がするよ。

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04/15(Wed) 02:27
ロビン





「あのね、過去があって今に至っているわけよ。」

「だから?」

「今の彼がどんな状態かわかる?」

「さぁ?知りませんよ興味無いし。」

「じゃあ順を追って説明するわ。」

「あの、ガガさん。私今興味無いって言ったんですよォ。」

「“関係”はあるわ。」



どこぞのチンピラみたいなモノの言い方に内心呆れるけれど。

生憎その程度の挑発には乗らないわよ。



「“ヴェローナ”…兄であるフィレンツェに恋した彼女はそのためにデスティーノに消されたわ。結婚してすぐに。その家族も。それ以前にもフィレンツェにとっては長年の“悩み”でもあった。“愛のベクトルの違い”」



一旦退席させたい所だけど、どうせ聴こえるでしょう。

…あぁ、苦しめばいいわ。

でも悲しいの。



「初恋の彼女フィオナは学生時代からヨーロッパにその名を轟かせていたわ。強力なパトロンも多数。世界の頂点に君臨するのは時間の問題だった。だから身を引いた。互いに愛し合っていたのに、自分が暗殺者だから。そして最期は彼女に手を掛けたわ、愛を証明するために。」



…なんて言うのかしらね。

自分で自分の首を絞めて、愛してるのに。

彼は瞬きもせずに俯いて遠い目をしてる。

咲ちゃんは、ただつまらなさそうに頬杖をついていた。



「ミランダはフィレンツェに両親を殺され虐待を受ける日々を送ったにも関わらず彼を愛した。幼くして身ごもった彼女は一時的に絶望したけれど、諦めきれず彼を得ようと必死だったの。夫を殺し組織を奪い仲間を集め、結果敗れた。…でもね、フィレンツェは“優しい”から。」



唇が震えそう。

でも知らなければ。

彼女は、もう無知でいては困るもの。

そして後悔して欲しい。

自分がどれだけバカなことをしたのか、知る必要があるのよ。



「フィレンツェ・フォルテ――咲ちゃん、あなたが知ってるのはこっちだけでしょうけど。でもね。…“フィレンツェ・デスティーノ”彼のパスポートや免許証を見ればわかるわ。」

「……名前?なんで――」

「ミランダと婚姻関係にあるからよ。フィレンツェは妻帯者なの。だから私は言えなかった。私が切り取られたことでも責任を感じているのに、言えるわけが無かったのよ。愛し愛されることにこんなに怯えているのに。だって愛してるんだもの…」





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