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こっそりひっそり。

2人だけの秘密。



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04/10(Fri) 10:33
時世




知ってるよ。



よく知ってる、現実もちゃあんとわかってる。
選択する権利、義務、わかってる、わかってるんだ。

私はバカだけど、頭が悪い訳ではない、と思う。

小中高、真面目に行ったし成績もよかった。
大学だって行ったし、社会人の、あのクソ不条理な経験だってある。
こっち来てからぐだぐだだけどさ、私だって20年以上生きてきたの。

このイタリアではない、
日本という地で。



「わかってますよ?それは子供に限らないし。
私は今まで流されて、いやこういうと責任転嫁かな」



説教されてる気分。
おもしろくはないけれど、さして感情的になる程でもなくラファエルさんからは視線を動かさないまま。

正直面倒くさい、私は答えだけ貰えればそれでいいのに。



「周りの空気を読んで合わせて、自分でそれでいいと思ってきて、今の私がいるんだから」

「わかってるって言うのならさ、それはなんなんだろうね」

「いや、だからさ?」



私は。

不幸、じゃあない、別に。
周りの意見に流されようが情に流されようがそれが、私だ。
軽口叩きさえすれ、周りに本気の怨み言溢すほど落ちぶれたくはない。

そうやって生きてきた私が初めて、さ?

“どうにもならなくて”

我ながらブッ飛んだ頭沸いたとしか思えないようなことを、やらかしたワケ。
でも、散々喚いて、疲れて寝て、……今。



「だからね。貴方たちは困るんでしょう?」

「は?」

「私を騙して堕胎薬寄越したのは事実ですよね」



私が妊娠していては困るんだ、みんなが。
……少しだけど。
フィレンツェさんの子だとなお都合が悪い。
一般人でさえ修羅場になるのにこんな家業で、ねぇ?

それが一転、復讐がなんだといい始めて?

まだ“居る”だと。

“共犯”だと?

ラファエルさん呼びつけまでして、フィレンツェさんが実際何を考えたかはわからない。
でもああ言ったからには彼だって悩んだからこそだろう。

でもそんなの、私にしたら。

知ったことか、で。

今、思う。



「周りが困るから“諦める”だって?本気で言ってるのそれ」

「はー…だから。
“いいのか”って聞いてるんですよ私は」

「それじゃあやっぱり、君は全然わかってないじゃないか。それとも端から聞く気がないのかな」

「あのですね、
私の“答え”は決まりきっているでしょう?」



自分の筋を通し、ケジメをつけて満足するか?
自分を折ってでも不確かな希望を守りきるか?

私なら圧倒的に前者を選択する、普通なら。

けどこればっかりは、

どうにも、



「多分、貴方がたが思っているより大変なことになりますよ。だから聞いてるんですよ」

「だから……、…やっぱり聞く気ないだろ」

「だからですね、……あぁもう、このままだと盛大に巻き込むぞっつってんだよコノヤロー」



真顔のまま、声も荒げず平淡なまま暴言を吐いた。
ほんとうっさい。

まず前提として居るなら産むんだよ、その為にそれなりの準備もしてきて、今があるんだから。

考えナシにやらかしたワケじゃあない、順番が狂ってしまっただけで。



「あ、フィレンツェさんはどのみち既に道連れ」



“優しかった”から。

いいよ、利用し合うというなら受けてあげるよ。
ガガさんに会ってもあげる。
まあ、……信用はしないが。

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04/10(Fri) 14:20
ロビン






勘違いってさ、滑稽だよね。



(さーて、どうしようかなこの“勘違いちゃん”…)


どこで何がどうなったやら。

まぁ、多分堕胎薬のせいだとは思うんだけど。

信用が無いのはわかるけど、解釈を間違われるのは少なくとも“僕は”不本意だよ。

…フィレンツェはどうでもよさそうな顔してるけどね、相変わらず。

あぁどうでもいいだろうさ。

彼にとって彼女の勘違いは願ってもないだろうから。

だがしかーし。

そうは問屋が卸さないよーん。



「あのさ、聞いていい?なんで僕が困るの?」

「は?」

「“あなたたちは困るんでしょう”って、フィレンツェはわかるけど僕はなんで?」

「堕胎薬を寄越したってことはつまりそういうことでしょう?」

「僕が君に堕胎薬を渡したのはフィレンツェに家族を殺すって脅されたからだよ。それにネエロの子だった場合ノータッチでいいってことにもなってた。」

「…………」

「巻き込む?上等さ、それは構わないよ。でも何だろう、君たち本当に腹割って話し合ってなくない?この温度差は一体何?――いや…フィレンツェ、まさかキミこの期に及んでまだ何か企んでんの?」



僕の視線を追って、咲はフィレンツェを見る。

呆れたような、少し怒ってるような。

彼は僕たちの視線を気にすることなく答えた。



「別に。……何だい、今はガブリエルが来るからどう言いくるめてやろうか考えてるだけだよ。」

「そんなこと聞いて――は?」

「彼女がガブリエルに、」

「言っちゃったの!!?」

「言っちゃったよ。いずれ言わなきゃならないこと――」

「だったとしてもなんで今このタイミングなんだよ!!」



彼の対面に座り、テーブルを叩く。

やっと顔を上げた彼の瞳は、…これか。

“読めない”

たまに彼女が言っていた。



「こういうことは早い方がいい。彼女のためにも…」

「キミはつくづくわかってないなァアア!!?」



衝動的に髪を掴んで横っ面を拳でぶん殴った。

久々にこんなことしたよ。

でも。



「…仕方ない。わかってるよ。全部ちゃんとわかってるんだ、気付かないフリをしていただけで。それでも知らないフリをした。そうすれば、ずっと上手くいくと思っていたんだ…」





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04/11(Sat) 00:03
時世



おや、おやおや。


おいおい、これはこれは。

真横で騒がしいな。
なんだか仲間割れっていうと先生に悪い気がするが、まぁなんだこれ。
っていうか先生が怒った、いい人だ。

っていうかだから、やなんだよフィレンツェさんその言い種が聞き覚えありすぎてうぜえ。

だのに、

いいよなぁ、フィレンツェさんはこうやって、こういう怒りかたしてくれる人がいてさ。
私も、こうやってぶっ飛ばしてでも止めてくれる人がいたらなぁ、なんて。
それこそ甘えだけどね。

なんだかんだ、フィレンツェさんて周りに恵まれてるんじゃあないか……?



「あー、そういえば先生、ガガさんの友人か」

「……」



うへぇ、多分今、私先生に睨まれたわ。

今更思い出したこと素直に口出しちゃったらさ。

ガガさんとフィレンツェさんのセットでしか考えてなかったわーうわぁー視野狭ぁーい、ばっかぁー。
恋は盲目ぅーきゃー。

……反省。

あそこまでしてもらっといて忘れてるとかどんだけだよ自分、ってな。
危機にこそ冷静にならなきゃあいけないのに私って奴は自棄になって。
視野狭くしてんじゃあないよって話。
でもあの時点では取り乱しても仕方なかったんじゃあないかなって、思う。

まぁ、感情的になるってことは悪くはない。

ただ、時と場合が問題だ。

もう今は、私は、下手踏むワケにはいかないんだよ。
手段の為に目的を見失うことをしてはいけない。
けど、目的の為に手段を選ばないのはよろしくない。

が、いざとなったらもう躊躇ってはいけない。

いや“いざとなったら”とか言ってる時点で甘いんだろうな私。
知ってるよ。



「……じゃあホントにもう話して、しかも来るっていうのか、今から?」



あー、なんか揉めてるんだが知らねーよ。
どうでもいいからさ、ってかさ。

ガガさんにばらしたの、フィレンツェさんじゃね?

確かにぶっ壊してやろうかってのもあったけどさー、結局怨みある訳でもなし私には出来なかったし。
フィレンツェさんなら上手くやると思ったし。

っていうか、フィレンツェさんとガガさん仲直りしてほしいな、なんて。
思ってすらいたのにね。

畜生くそったれ。

フィレンツェさんがトチ狂って馬鹿正直に話したせいじゃねーか面倒くさい。
いや、何をどう話しまでは聞いてないけどさ。



「あのー、この間に私ちょっとお風呂借りてもいいですか?このままガガさんに会うのはちょっと……」

「君は君で、何を他人事みたいなことを言っているのさ。さっきからずっと」



ぶっちゃけどうでもいい。
先生にしても、フィレンツェさんにしても勝手にやっててくれよ。

今の私にはガガさんが来るにしても、今更ダメージ受ける精神状態してないし。

フィレンツェさんがこの期に及んでまだ何か企んでいるってのなら、別にそれでもいい。

私は“私の真実”だけ持てればいい、戦える。
最初から皆に、ああリゾットにも言ってきたよ。

“騙すのならば最後まで”

それが“弱さ”の上に胡座をかいた言葉であることは今は理解してはいるけれど。

いいだろ、他人にすがるよりは、無様でも、虚勢でも自分の力で立って見せて、倒れたいじゃあないか。
精一杯、全力で、



「フィレンツェさん、席外していいですか?」



悔いなくできたらそれが重畳だ………だろ?
だってそれで無理なら仕方がない、仕様のないこと、なんだからさ。

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04/11(Sat) 02:31
ロビン






「いいよ。行っといで。」



止めたってうるさいだけ。

それなら目の届く範囲で自由にさせている方がずっといい。

ガガが来れば嫌でも引きずり回されるんだ。

今くらいいいさ。

声にこそ出ていなかったけど、彼の瞳はそう訴えているように見えて。

2人きりになった室内。

なんだか急に気まずく感じた。



「…さっきの質問、答えた方がいいかい?」

「さっき?…あぁいいよもう。それよりどうしよう、これじゃあ僕まで共犯――………あ、いや。ちょっと待って、キミ…」

「なにか?」

「…いや、まさかね。」

「ピンチを切り抜けられる“良い偶然”でもあったかい?」



つまらなさそうに言った彼の声色。

ニヒルに笑った口元は、果たしてどこまでが計算されたものなのか。

それとも、本当に都合のいい偶然が起きたのか。



「………ねぇ、」

「なんだい。」

「“全部わかってる”って、言ったよね?」

「言ったよ。」

「馬鹿かキミは…」

「そうかもね。」



ガガは、彼に恋してる。

ずっと。

いつ気付いたのか、本当に気付いたのかわからない。

彼女も彼に負けず劣らず遊び人だから。

あぁそんなこと今はどうだっていい、そうじゃあない。



彼は、――そうだよ。

彼女を盾にしようなんてこれっぽっちも考えちゃあいないんだ。

このタイミングでバラしたのはもう隠しきれなかったから?

だとしたら。

彼女を迎えて対峙する準備は出来ていたんだ、既に。

だからこそ、このタイミングだったんだろうね――



「君は、彼女が来る前に帰ってくれると助かるよ。」

「………独りで、会うの?」

「まさか、彼女も一緒さ。」

「守りきれるから?根拠は?」

「根拠なんて無いさ。けど彼女は根っからの善人だ、少なくとも彼女の命に関わるようなことは出来ないしさせない。彼女のキャリアに傷が付くような真似は、私がさせないよ。」

「…彼女を敵に回すなよ…」

「そんなヘマしないさ。私と彼女は心の繋がりはあれど法的にどうこう言う仲じゃあない。だから裏切りじゃあない。それに、…もう離してあげたいからね。」

「待っ、…どういう、」

「“負のループ”を断ち切るのは、今なんじゃあないかって。あの日からそんなことばかり考えていたよ。…これでも愛しているから、ね。」





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04/11(Sat) 12:29
時世



じゃあ、行ってきますよ、って彼の肩に触れて立ち上がって。

その場を離れて。


うーむ。


伸びをして、鏡を見る。

お、案外まともな顔してるじゃあないか、ただ目ェ恐いな。←

髪の毛洗うと手入れ含め数時間コースだから今はいいかな。



「………」



ガガさんが来る。

でも、それでどうすりゃあいいんだ私は。

こんばんわ、くらいしか今の私は言葉を持ち合わせていないんだ。
うーむ、ガガさんとフィレンツェさんは正直今でも仲良くして欲しいんだよな、虫がいいけど。

私が無理矢理迫ったんですとか言ってみるか?

強ちウソじゃあないよな。
でも彼なら断れたはずだって来たらフィレンツェさんは“優しい”からって。
あと酒飲んでたし、とか。

それとも意識なかったんですとか?

“薬”のせいでアレだし。
でもまぁフィレンツェさんの言葉を信じるなら結局求めたのは私であるし。

やっぱり、私がやらかしました、ってのが正しい。

でもその後が続かない。


“ごめんなさい”?


冗談じゃあない。
心からの謝罪は今の私には無理だ。

いやそもそもガガさんにウソつくとか無理じゃね?

いやいやウソじゃあないよけどさ。

ってか私は何でガガさんにまた会うんだっけ?
ああフィレンツェさんのせいだったよ畜生。
何自分から壊しにかかってるんだよあの野郎。
“言った”っていうのも彼お得意のアレだったりしないかなぁ、……なんて。

シュミレートしてみよう。

ガガさんが来る、で、一応座るだろ。
「で?」とか「何か言うことは?」とか?
いきなりこの泥棒ネコー!とかやられることはないだろう、いや、ちょっと見てみたい気もする。

ってふざけてる場合か。

ああ無言でこっち見てくるとか、私ガン無視で無言でフィレンツェさんガン見とかもあるかな?

うーむ。

……あ、やべ。
着替え……………あ。
そうだ着てきたスーツ!
中のブラウスくらいは乾いてるだろう。
多分。

よーし、愛用の櫛もちゃんとあるぞ。

こう、髪も気合い入れて高く………



「くっ……うっ……」



もうちょい!
もうちょい高くっ!
あ、いた、痛い痛い!


ってこんなことやってる場合じゃあねぇよ。


……ぱぁん、って手にした櫛を叩きつけたら、割れやがった。

縁起悪ぅいいいぃッ!!


………ま、いいけどさ。
さてあの二人はお話し終わったかな。
シャワー浴びたらなんかちょっと元気になった。
鏡に拳をあてて笑ってみたら、我ながら素敵な笑顔だわ。キモいわ。

そういやフィレンツェさんは“守ってあげるから”とか寝惚けたこといってたがどうなんだろうな。

まぁいい、今の私はガガさんにさえ、害を与えられたら速攻“返す”気満々だし



「精々守ってもらいましょうかね、物理から」



ガガさんの為にね。
全体的に私がサンドバッグになってしかるべきだから内容はフィレンツェさんに全部投げるけどさ。

物理だけは勘弁してよね。

物理だけは、冗談抜きで、今の私の“体”は受けてあげられないから。

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