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こっそりひっそり。

2人だけの秘密。



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03/29(Sun) 10:22
013
ロビン

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03/29(Sun) 19:00
時世



慣れないヒールで足は痛いし、雨は降ってくるし。

泣きそう、というか顎が震えて痛い、胸も痛い、息する度にひきつる。

……よくわからない。

なにもかも。

私は、何をしているんだろうか?

自分で突撃したくせにガガさんから逃げ出して。
何も考えず、というか無意識に此所まで来ていた。

フィレンツェさんの家がある通り。

何時間か乗ってたハズの電車の記憶がない。
ほんと、何考えてんだろうな私って奴は。
ガガさんに会ってきたんだぞ、どの面下げて。

大体、会ってどうする、どうなるっていうんだよ。

居るのかさえわからない。



「……、…」



頭では色々考える。

考えるんだけど。

“逃げる”のはイケナイことだと、頭ではわかっていても“楽”な方に傾く。

私は、わかっているのに。

結局そのドアを、…………………まあ、蹴っ飛ばした。

派手じゃあない。
タイトスカートだしパンプスだしで、ほんとに爪先でコツンって。

………出ない、なぁ。



「……さむいんですけど」



呟いたら、うん。
開いたよ、ドア。



「………」

「………」

「雨に降られちゃったんでシャワー、貸して下さいませんか」



スーツでマスクにグラサンとか不審な格好してたせいか一瞬、間があった。
だって化粧ぼろぼろだし目とか見せたくないし。

まあ、入れてくれたけどねフィレンツェさんは。
誰かいるとかじゃあなければそうだろうとは思ったけど。



「掃除、してたんです?」

「ちょっとね」

「……ごめんなさい、やっぱり帰ります。傘だけ貸してください」

「風邪ひくよ。それでなくとも体が冷えるとよくないし」



お優しいフィレンツェさんはまあ、そう言いました。

だから私は遠慮なく付け入って甘えました。

風呂借りて上がって、それから、ほんと何やってんだって感じなんだけれど。



「私のこと、殴っていいですよ?」

「……は?」



唐突にそんなことを言い出した私に彼は怪訝なカオは一応、していたけど。

なんとなく、……



「ほんとは腹立ってンでしょ、ナメやがって、って」

「……」

「ムカつくでしょ?こんな小娘に“利用”されて」

「君はつくづく、私を見くびりすぎじゃあないか?」

「でも実際イラッとはクるでしょ?」



私はそうそう死なないし。
それに今の私が現実逃避するには“痛み”が一番手っ取り早い。

なにより、やっぱり誰かに怒って欲しくて。

それが何に対してでもいいから、



「あと実は私、ガガさんに会ってきたんですよ?」

「…そう」

「そう、って……」



でも、うまくいかないよ。
そりゃそうだ、よく考えたらばフィレンツェさんを怒らせるなんて。

最初から、私には無理なんだからね。

ばかだな、なんで……私は此所に来たんだろう。

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03/30(Mon) 06:25
ロビン






ガブリエルに、会ってきたってさ。



「…そう。」

「そう、って……」



何から話せばいい。

いやそもそも。

彼女と話す気なんてサラサラ無かったんだ。

話をするって言ったって、何を?




(キミはいつも諦めてた。ヤケ起こして。冷静でイカレたフリしてさ。渦巻いてるモノを全部押し殺して。)



(“キミ”を知らないのに出来たわけないだろ!!?キミは僕に白状したのか!!?何も語らなかったクセに期待すんなよ!!咲にもそうだ!!彼女の話を聞いてやったのか!!?キミのこれまでを知ってたか!!?責める気持ちはあるクセにお高くとまって見下して、本当にイラつくったらないよ!!)



(聴けるわけもないって?あぁ、そうだろうよキミは彼女の一言一句に震える程ビビってるんだからな!!)




――フラッシュバック。



「…………フィレンツェさん…?」



簡単な話じゃあない。

口で言う程簡単なことじゃあないんだ。

わかってる。

どちらに転ぼうと“間違っている”ことなんて。

彼女に話して何になる?

自分を傷つけるだけでなく彼女だって。

しかし黙っていた所で。

…何も終わらせられない。



「…私は計り兼ねてるんだ。」

「計り兼ねて……何を」

「彼女から電話があった。」



トクン――

鼓動が少しだけ強く。



「時間が無かったみたいですぐに切れたけれど。」

「…そう、ですか…。」


何に安堵したのか。

わかってる。

でも――



「…君と私は、互いに知らなさすぎた。すれ違うには長すぎる時間を過ごした。きっと、これからも、…そう。」



纏まらない。

急にこんな…けど。

もうこんな機会は無いかもしれない。



「私は、ただなんとなく漠然とわかってる気になっているだけなんだ。“わかっていない”のに。」

「…………」

「君の話を聞いて、自分にケリを着けたいんだ。それからでもまだ…多分、遅くは無いと思いたいから…」



耳につく、雨音。

僅かに震える呼吸を必死に押し殺し。

一度瞬きをして、ようやく彼女をまともに見たんだ。





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03/30(Mon) 09:56
時世




まるで、
“何か”を恐れるように。



何故、そう思ったのかはわからない。

“あの”フィレンツェさんに対して、私の好きな“強い人”である彼に対して。

彼を揺さぶることが出来るのは偏に、ガガさんとプロシュートさんのことぐらいだと思っていたのに。

ガガさんに会った、ってことには一言で済ませて。


『君と私は、互いに知らなさすぎた』


だなんて、この人は何を言い出したんだ?
当たり前じゃあないか。

必要性もなかっただろう。

それに“今更”

知ったからって何がある、知っていたかららどうだったっていうんだろう。

不思議に思って、まあ怪訝に聞いていたんだ、


『君の話を聞いて、自分にケリを着けたいんだ。』



私の話を聞いて、彼に何の関係があるんだろうか。

自分にケリをつける?

意味がわからない、けど。


なんとなくーーーー


いつだってそう。

ただなんとなく、だ。

誰だってそう。

確認なんか一々とらない、受け取りかたは各々の中。

やっぱり今のフィレンツェさんは静かに、何かに怯えているような視線を、私なんかに向けてきて。


目が合って。


似ているようで似ていない表情と、やっぱり似ている顔の作りと。

ああ、フィレンツェさんはどこまで“わかっている”んだろうね。



「気付かなければよかったーーーなんでもそう」

「………」

「そう思いません?なんでも、それが偽りでも過ちでも、知らなければ……苦悩も葛藤もない」



フィレンツェさんはただ、こちらを見ていた。

それはもう、不気味なくらい静かに。



「…私はもう戻れません。
駄目だったからって“今まで通り”なんて、もう。

リゾットのことは好きだ、けど気づいた私にはもう堪えられなかった。

毎日毎日、抱かれる度に自己嫌悪して、でも他に道があるワケもなく」



私は、うまくやっていたと思うよ。

だって誰も、私がこんなになるまで誰一人気がつかなかっただろう?

私に興味がないだけ、といってしまえばそれまでなのだけど。



「好きなんです」



いつの間にか落としてしまった視線。
フィレンツェさんがどんな表情をしているのかはわからない。



「欲しかったんです。
その“面影”が、せめて」



“どうしようもなかった”なんて、言い訳かな。



「フィレンツェさん、私、貴方によく“似た人”が…
…どうしようもなく、好きなんです」



実のない“ばか”な賭けとわかっていて尚、今の私の全てを投げ捨てられるくらいに。



「以前貴方のいった通り、私は結局、自分が一番可愛かったんですよ」



耳につく静寂、届くのは雨音ばかりで。

堪えきれなくなった私は、何故怒らないんだと。

唐突に、泣き喚きながら彼にくってかかった。

それこそ彼には関係のない強いていうならとばっちり……だというのに。

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03/30(Mon) 11:49
ロビン





「……うん、気付かなければよかったよ。」

「…………」



なぜ怒らないのかと、泣かれ責められて。

なぜって、そりゃあね。



「なんとなく、わかっていたから。」



今彼女の心を占めているのは、怒りか悲しみか、諦め、または懇願…?



「間抜けなことにね。2度目に君と過ごしたあの時。」



1度目は“私の”過ち。



「…だが2度目は――“確信犯”だった。」



そう、限りなく高確率で。

けれど決定的な、確実な証拠は無かった。

誰かに聞けるわけもない。

直接聞いた所で君はマトモじゃあなかったし。



「“死にたくない”――あの言葉の前後に君は言ったんだ。」



どうしようもなく“好き”だと。

私の目が“青い”…ともね。



「1度目の時、私は君が何か思い悩んでいるのだと思った。一番どうでもいい余り者の私を選んだ、そう考えてたんだ。コイツなら何も無かったことにするだろう、きっとそう考えてのことだろうって…」



部屋が、少しずつ冷えてきたような。

明るいはずの照明が、不自然に部屋の色を変えている気さえする。

風が出てきたせいで外では雨が外壁を打ち付けて。



「2度目、君が口走った言葉で瞬間的に察した。…………、君がね、」



背もたれから身体を起こし、前屈みに。

身体の前で手を組んで。

彼女はどんな顔をするだろう?



「私をリゾルートの代役にしているんだろう…って。」



感情を乗せた表情は、色彩が急速に褪せていく。



「そして私は思ったんだ。“またか”ってね――同時に、やはり別のことも考えた。何にせよ騙されたことには変わりない。行き過ぎた仕返し、きっと誰もがそう思うだろう。現実、事情、どうあれ“私には”理由があった。この先もきっと拭い去ることは出来ない…」



そして。

今度は嘘を上塗りする羽目になった。



「…全員を騙し続けてる。」



言って、私は黙った。

彼女が黙り続けていることも気掛かりだったけれど。

依然騙されていると気付かない彼女の様子を、もう少しだけ知りたかったから。





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