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こっそりひっそり。

2人だけの秘密。



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03/23(Mon) 11:18
012
ロビン

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03/23(Mon) 16:05
時世




どれくらい、そうしていたのか。



一通り吐いて、水がぶ飲みしてまた吐いて。

朦朧とした頭で掃除、なんて考えて漂白剤ぶち撒いてはまた臭いで吐くとか、バカなことをしていたよ。

吐きまくったせいで喉か痛くて仕方ない。

気が付いたら自分のベッドにひっくり返ってて、今。

時計に目をやったら、狂ってなけりゃあ真夜中で。



「…まだ、誰も“いない”」



下階は静まり返っているし気配もない。
携帯も、珍しいことに公私共にメール一通電話の一本も来ていなかった。

今日に限って。

よりにもよって、だ。
なに、おかしなことじゃあないんだ。
私は彼らの都合に合わせて生活しているけど、彼らには彼らの生活がある。
寧ろ毎日連絡があっても面倒くさいと思う。

いや、わかってはいる。

彼らは私に結構、いやかなり気を使ってくれていると思うよ。
でもね、あくまで。

“それだけ”なんだ。

その方が都合がいいから。

私の意志や感情なんて、とるにたらないこと。

私がいた方が都合がいいから、いて都合がいいように彼らは私を変えるんだ。



それは一体、なんなのか。



そこにあるのは、一体何?

打算、だけとは思いたくないけれど、………

ただの他人に、求めることじゃあないとも、わかっているけれど。

私は一体、なんなのか。

彼らは私をなんだと、



「……駄目だ………」



暗い部屋で一人、こうしているとどんどん思考が危うい 方向に行く。

でも、感情…いいや願望を抜きに冷静に見たらそんなもんじゃあないか?

実際周りの私の評価は、
チームリーダーの女ってだけで勘違いした愚かな女、だろうし、

自分でもそう思う。

それでも良いと、思って。

これまで、私は。



「……あ、プロント?
私だけど、車回してくれない?運転手つきで」



こんな夜分で急にこんな無茶言っても叶えられるような立場に、実際私はいる。

所謂したっぱの、顔見知りを呼びつけるくらいは。

望んでもなかったこの影響力を私は滅多に使わなかった、いや。
使う必要がないくらい、皆がよくしてくれた、けど。

駄目なんだ、今は。

それらさえも、

受けたはずの好意さえ信じられなくて。



「適当に走って、お金は払うから」



今回の“このこと”は、フィレンツェさんしかは気付かず終わったけど。

いや、フィレンツェさんでさえ、ああだったんだ。

他のメンツが知ってどんな行動をとるかなんて考えたくもない。

リゾットなんておぞましいわ、アイツ「いらねェ」言ったことあるからな。

………やがて着いた、こんな夜分に呼び出された名前も知らない憐れな野郎の車に私は乗り込んで、まあ、結局。

私は“卑怯者”なんだ。


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03/23(Mon) 23:29
ロビン





「…だろうね。」

「…………」

「入っても?」

「あぁ…」



出会い頭に言われた言葉に心当たりが無いものだから。

けれど何のことか聞き返してみる気にもなれず。

勝手にすればいい。

招き入れて、そこでやっと灯りをつける。

仕事が終わってから、だから20:00を回ったんだ。

時間さえ把握していなかった。



「これ、いい?」

「…あぁ。」



ガブリエルの取って置きの赤ワイン。

勝手に飲んでいいかってさ。

そんなの私の知る所じゃあないけど。

まぁいい。

また買っとけば。



「………うわ、フルボディじゃん。僕ミディアムがいい。」

「…………」

「開けちゃったよ…あ、飲む?」

「いや…」

「だろうね。」

「…………」



私はソファに横たわって。

うずくまって。

ずっとそうしていた。



「……ちゃんと食ったかい、ご飯。」

「…いや…」

「なんだよ、気が滅入るよ。」

「帰れば…」



呼んだ覚えも無いし、彼が来た理由がわからない。

今日まで散々理不尽に脅した相手だというのに。



「………責められれば、良かったのにね。」

「……そうだね。」



10分くらいだっただろうか。

時間の感覚が狂ってるのか、よくわからないけれど。

その一言を放って黙った彼。

静かで。

まるで別人だな、なんてぼんやり思って。

どうでもよくなって。



「………でもさ、」



久々に聞いた声は、なんだか。

読み切れない。

わからない。

どうでもいいか。



「考えたんだ。どんなシチュエーションか知らないけど、今になって考えてみればさ、…責められた方が、楽だったんだろ。」

「…………」

「僕は、そういうキミが嫌いだよ。」

「じゃあ殺したらいい。」

「…キミは素直に泣いたら?」

「…………泣いたよ。」

「中途半端に?」

「なんとでも。」

「押さえ込んで、丸め込んで、押し殺して、」

「そうそう…」



挑発なんか乗らない。

全てがどうでもいいよ。



「フィレンツェ。」

「…うん……」

「大嫌いだよ。」

「……あぁ。」

「今すぐ泣いてくれると気が晴れるんだけど。」

「ムリ…」

「じゃあさ、泣かしていい?」

「……あぁ、好きにしろよ…」




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03/24(Tue) 10:07
時世



宛もなく車を走らせて、

しばらくは窓の外を眺めていたけど。

なんだか馬鹿らしくなって、恥も外聞も今更知ったこっちゃあないし後部座席に仰向けに寝転んだ。

……眠くはない。



「なにか、かけますか」

「いらない」

「……何処まで?」

「何処まででも」



少し、悪いな、って。

思わないでもない。
関係ないのに夜中呼び出されて理不尽に使われる彼には。

でも、今は余裕がないのだと思う。

自分のことに手一杯でさ。
悪いなとは思っても、全然心が痛まないもの。



「……ラジオならつけていいよ。退屈でしょう」

「………」



でももはや条件反射だよね、変に、半端に気を使うのは。
…なんかの宣伝が流れる。
あぁラジオってこんな時間でもやってるもんなんだ?

っていうか、



「そぉーだ、」



身を起こしたら貧血くらったけどまぁそれはいいとして。
耳に入った宣伝と、お悩み相談みたいなの。
運転手君はチャンネルをいじってしまったけど、

聞いて、ふとガガさんのことを思い出した。

薄情にも私は、今の今まで忘れていたよ。
彼女のこと、だって全然見ないしさ。
フィレンツェさんの隣が空いている違和感もいつの間にか消えていて。

というか。

私 が“打算”で彼に近付いたし、相変わらず彼が苦手ではあるけれど。
以前より全然“近く”感じるようになって……。

まあ、逆怨みだわな。



「ねぇ君、私今から電話するけど……他言無用ね」



わかってるとは思うけど、一応釘はさしておく。

っていうか、電話して出るかな、この時間。
睡眠不足はお肌の敵!とか言って寝てるかも。
ガガさん。

5コール。

それだけ鳴らして出なかったら、それまでだ。



「あ、夜分すみませんお久しぶりでぇすっ!」

『……何考えてるのよこんな時間に』



………出たよこの人。
この時間に。



「ガガさんて、おいくら万円?時間外料金含めて」

『ハア?イキナリなんの話して「ガガさんあのですねぇーっ、私って“女”なんですよォー」……あんた酔っ払ってんの?フザケてるなら切るわよ』



切れないクセにw



「今私の話聞いとかないと大変ですよ、いいんです?パッショーネはきっとあなたを手放さないから周りが大惨事!」

『…咲ちゃん、あなたどうしたの。いいこと、落ち着いて。アイツらは?今一人でいるの』

「アイツらはいないし、連絡なんてしないでくださいよ?それこそ大惨事!
フィレンツェさん、いや社長だって危ないかも」

「ルーシー…?」

「はは、私、ご存じの通り駆け引きなんか出来ないんで。とにかくガガさん、何処にいます?」

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03/24(Tue) 11:57
ロビン





言ったな――



死んだ魚みたいな目ェしちゃって。

何にも興味無いような顔してさ…



ゆっくりと席を立って、仰向けに横たわったフィレンツェに跨がる。

――ギシリ。

ウェイトをまだ掛けてない。

膝立ちして、それからワインを瓶で煽った。



「うん、なかなかいい眺め。」

「………で?」

「で、――こうするんだよッ!!」



懐から取り出した小さな注射を4本。

腑抜けて油断しきった彼の四肢を黙らせるには充分だ。

両腕は僕、両脚はグッドシャーロットが。

効きが早くて復活も早いフィレンツェには、少々多めでも問題ない。

とは言っても、ちょっと加減したけどね。

理由は簡単。



「さて、お医者さんごっこはここまで。次は――ふふ、」

「…あぁ、弛緩剤?」

「そう。」

「別に暴れたりしないよ……」

「そうかな…?」



フィレンツェの顔を覗き込んで、ニヤリと笑う。

まだ余裕なんだね。

いざとなればディーヴォが居るからだろうけど。



「……もうすぐ泣かしてあげるからね…」



再び瓶を煽って、嚥下することなく彼へ。

高く筋の通った鼻を摘まんで、送り込んだワインを戻せないように顔半分を力任せに塞ぐ。

少しだけ抵抗しようとした彼も、すぐに諦めたらしく素直に飲み下して。



「…だから少なかったのか…」

「そういうこと。」



口の端から僅かに零れたレンガ色の筋を拭う。

やだな、アルコール回るの早すぎじゃあない?

ちょっと計算違いだったけど、手間が省けて良かったよ。



「今キミをゲイの群れに放り込んだら笑えるだろうね。」

「………別に…」

「へぇ。男とも寝るの?」

「…ん、…あぁ…」

「ふふ、キミは仕事でしょ。まぁ僕は興味本位だったけど。」



その時の相手がガガだって知ったら、びっくりするだろうな。

それは今どうでもいいか。



「……何、泣かすって、ソッ、チ…?」

「…うん、今揺らぎそうになったけどやめとく。」

「………は、は、」

「欲しいならあげるけど?」

「…バカ言え……」

「じゃあ、――はい。よく見ててね。」



髪を撫でて、なぜだかキスを。

多分同情してるんだ。

彼の上から退いて、僕は彼の寝室へ向かった。






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