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こっそりひっそり。

2人だけの秘密。



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10/16(Thu) 11:52
時世



うぅん、フィレンツェさんの様子がオカシイよぅ。


機嫌が悪いってんでもそうなさそうだし……なんてやってるうちに帰って来てしまった訳なのですが。



「あ、あ、そうだ。
フィレンツェさん、さっきのこと内緒にしといてくれませんか?」

「さっきの……あぁ吐いたこと?」

「最近体調よろしくなかったんで過保護気味なんですよねぇ…」

「素直に大人しくしてれば良いだろうに。心配して貰えるうちが花だよ」

「でも症状は軽い風邪な感じだし、薬飲みたくないし病院なんかもっとやだし」



熱っぽいし血以外の月の穢の症状出っぱなしだし体調は良くないのは事実だが。

心配されるのもアレだがからかわれるのが一番うざいんだよなぁ。

とにかく皆の反応が面倒くさいから、黙ってて貰える約束とりつけるまで車からは降りないぞ!

なんて気合いフィレンツェさんの方を見たら視線がバッチリあってなんか気まずいぞなんだこれ。



「風邪をなめちゃあいけないよ。万病のもとだからね早めに治さなきゃ」

「治したいのは山々です」

「大体君は食生活が……」

「お小言ノーセンキュー」



びしりと指をつきつけて、でも車汚した事実もとい弱味がある。

適当に愛想笑いして薬片手に車を降りる。

でも、待てよ。

確かフィレンツェさんてちょっと頭イカレてるんじゃあないかってレベルで潔癖じゃあなかったか?

ってことはプライベートで乗り回してる車なんだから買い替えろとか……………いやいやいやいや無理無理無理ムリムリムリッ!!!



「とにかく中へ……ってやっぱりカオ青いよ」

「ごめんなさい!!」

「は?」

「我慢出来ると思ったんですでも駄目だったんです!ほんとすみません、ごめんなさい……!
車、フィレンツェさんて綺麗好きですよね、でも流石に私、こんな高い車買えない…です……!!」

「はぁ……いや、別にいいって。仕方ないことじゃあないか、ところで」

「……はい」

「此処でそんなに騒いだら誰かさん達に体調不良がばれるんじゃないかな」


「…………あ」



やっちまった。

でも、まあ、フィレンツェさんじゃあるまいし、建物の中にいれば聞こえやしないよね……?

っていうか。



「そういえばフィレンツェさん、ラファエルさんて内科受診できますよね?」



いざとなったら世話になろうかと思う。

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10/27(Mon) 16:55
ロビン







――マズい。



「あぁラファエル?大丈夫だと思うよ、小児科と内科を専門にしているから。」



マズいぞ。

私にとって一番マズいケースは“リゾット君と何も事情を知らないラファエルに知られてしまうこと”。





…いや、取り越し苦労ならいいんだ。





ただ、万が一“私とDNAが一致してしまった”だなどということになったら――



「そっか、了解です。聞いとかないとね。行ってみたら違いましたなんて恥ずかしくてシャレになりませんからね。」

「そうかい?今更なんてことないだろうに。」



シャレにならないのは私の方だ。

笑えない。



「…まぁでも、ちゃんと予約はしておいた方がいいよ。」

「あー、ですよねー。忙しそうだもんなぁ、ラファエルさん。」

「そうそう。…あ、連絡しておこうか?」

「やだフィレンツェさんがマネージャーみたいなこと言い出したよ。」

「キミが“知られて良い”ならいいのだけどね。」

「…あぁはいはい、それは嫌ですお願い致します。」

「だろう?軽口叩いてる場合じゃあないよ。」

「うをおおおクソメンドクセェー…」



苦々しく顔を歪め、片手で顔を覆う彼女。

それをやりたいのは私の方さ。

口にも態度にも出さないけれど。



「一番近い日に予約しておくかい?」

「んー、…どうしましょう?そんなに急に具合悪くなるもんでもなさそうなんですけどねぇ。」

「それじゃあ様子見て連絡くれよ。それにあそこは救急も扱っているし、急に何かあっても心配ない。」

「そうですねぇ…うん、そうしましょうか。」



経過観察をする猶予が出来た。

そういう方向に話を持ってこれたわけだけれども――さて。



「とにかく、無理はしないこと。わかったかい子猫ちゃん?」

「あああホントやだ!!ホントやだもう!!」



重い荷物は持たせられないから、私の片手には大量の買い物袋たち。

空いた左手で頭を一撫で、それからチョンと鼻を突いて。





“ほら、おいでヴェローナ”


“えらいなぁプロシュート、お利口さんだ”


“…フフ、どうしたミランダ…?”




(…どうにもいけないな。)





「……ごめんよ。」





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10/30(Thu) 11:13
時世




これだからフィレンツェさんはッ!



優しいんだか性悪なんだか……まったく。

今だって荷物殆どもってってくれちゃうしさぁ!

しかし、ったく、まるで子供扱いッ!!

畜生、割りと畜生。



「ただいまー!」

「お待たせ」

「おせェーよ!」

「想定よりかなり遅いんだが……」



腹減らしたイルーゾォには申し訳ないことをした。

だがなリゾットてめーは何だ、私ら年単位の付き合いなんだが?

つーか用事は終ったのか。



「荷物の量もさして変わらないようだし、何処か他に寄ってきたのか?途中で具合が悪くなったりは」

「はーい!何故フィレンツェさんに聞くんですかせめて私に聞けよ」

「まずは材料仕舞いたいんだけれど」

「ハイハイ行っちゃって下さいフィレンツェさん!」



早速過保護炸裂というかなんというかうざい。

なんか初期の頃思い出すわこのやり取り……ッ!

仕事しろ仕事、稼げ!←

フィレンツェさんどころかイルーゾォも苦いカオしてるわ。



「はいはい大丈夫大丈夫、私が買い食いしてたせいで時間おしたんですぅー」

「間食も考慮した時間のはずなんだがな」

「ぐぁああうぜえぇー…!
心配してくれるのは有難いけどね!過保護ッ!!」


「……あー、咲ちゃん。
心配されてるのがわかってるなら、大人しくしてなさい。もう帰ってきたんだ、それで済む話だろう?」

「ぐぅ……っ」

「リゾット君も。
彼女も一応、外見はともかくいい歳こいたオトナなんだから何もそこまで……」

「待てコラ髭」



ぎゃあぎゃあしてたら、荷物の仕分けをしたらしいフィレンツェさんが戻ってきて言った。

誉めてんのか貶してんのかどっちだ!!?

いや貶してんに決まってるよなこの髭!



「ちっ、くしょう……!」

「ナニソレくしゃみ?」


「畜生!!」



でも言ってることは尤もなので、大人しくしよう。

それでも超ガン見してくるから、重ねて奴に言ってやった。



「大丈夫だって。ほんとに具合悪くなったら、ちゃんと病院行くから、ね?」



何故か眉間の皺が増えた。

ほんと、めんどくせぇ。

あとごめんイルーゾォ。

今の腹の音だよね、聞こえちゃった……(笑)



「リゾット君も、ほら。
随分たまってたみたいだけど書類の整理は終わったのかい?手伝いる?
打ち合わせも。
ギアッチョ君は?」

「あぁ……」



ちょ、リゾットお前、君こそ何油売ってんの、やること山積みじゃん。

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12/04(Thu) 03:08
ロビン






「――…、どうしたのさ。」



どうしたもこうしたもあるか。



「野暮用。」

「へぇ…。の、割には思い詰めたような顔しちゃって。」



夜、私は徒歩で彼を訪ねた。

夜もいいとこ、ほとんど夜中だったけれど。

どうせ起きてる。

彼は仕事のために早く寝ようなんて考え方はしないらしいから。



「何か飲む?」

「エスプレッソ。」

「こんな時間に?やめなよそんなの。それとも今から仕事――…ねぇ、それマジでやってんの?」



招き入れられた室内は丁度今から寝ようとしていた所だったのか、薄暗かった。

照明をつけ、2、3言葉を交わし、そして。



「“約束”をしてくれ。」

「うわ…マジなヤツじゃん…」

「ちなみにさっきの質問、答えは“マジ”だ。」

「でなきゃあ殺すって?勝手だね。」

「知ってたろ。」

「あぁ、ずっと前からね。そういう所が大嫌いさ。気に食わない。」

「キミの答えは?」

「さぁね。」

「…私はキミは殺さない。」

「………………“は”?」

「さぁ、答えろ…余計なことは言わなくていい…」

「待てよ、キミ“は”って――」

「交渉決裂。じゃあね。」

「――そもそも約束の内容、だから待てって言ってんだろッ!!?」



銃を懐に。

それから背を向けて歩き出せば、ラファエルは私の肩に手を掛け、力任せに振り向かせようと力を込める。



「…な、何なんだよ…」

「…言えないよ。」



無表情で振り返った私。

ラファエルは一瞬怖じ気づいて。

“言えない”

何を言えないのか、彼はその短い時間の中で色々な意味合いを考えたのだろう。

何を言えないのか。

キミ“は”、という言い回しについてなのか。

約束に関してなのか。

あぁ、これ以上無いほど厄介だがこんなに便利なモノも無い。

私はただ“言えない”と言っただけ。

ただそれだけ。



「…降参だ。参ったよ。」

「何が?」

「約束する。何かは知らないけど。」

「約束?何のこと?」

「…待てよ、」

「帰るよ。悪いし。」

「嘘だろ…なぁ、」

「キミは、…いや、いい。」

「待ってよ!!良くない!!なぁお願いだ、頼むから――」

「…じゃあもう一度だけ、“約束”してくれるかい?」





駆け引きは、私の勝ち。





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12/05(Fri) 22:17
時世




しかし、私はいやこれは?


どういうことだろう?


どう考えるべきだろう。


私はどうしてしまったんだろうか、なんて。

近頃体調が思わしくないのはわかってた。

ずっと眠かったり。

痛いとかならまだ良いがタチの悪いことに気持ちが悪いんだよ、吐き気とか。

常時貧血みたいな。

あの時フィレンツェさんには“そんなに急に具合悪くなるもんでもなさそう”なんて言ったけど。

繕ってはいるけど、繕えているつもりだけれど。

それでも多分勘のいい何人かにはバレているんだろうな。



「……咲?」

「……………ごめ、」



あぁ最初はなんてことなかったのに。

どうしちゃったってんだろうね、この体。

慢性的な体の不調が、激しく悪化した。

初めは、フィレンツェさんの前では自分でも心底首を傾げていたのに。

でも堰をきったように、表面化した変調、ただまだ耐えられない程じゃあない。

仕事だって出きる。

でも本気でなんか変な病気だったりして、なんて。

考えて。

そういえば居た、恐らく心配してのばしてきたであろう男の手を咄嗟に叩き落とした。

彼は少し驚いた顔をしていたけど、今は私も弁明出来るだけの気力がない。


『八つ当たりすんなよ。
女は生理中札でもぶら下げとけばいい、そうすりゃ誰も近寄らねぇ!』


なんて、いつぞや誰かさんに言われたっけな。

なんかふと思い出した。

イライラは、確かにするししている、けど。

真っ当に来てないんだ、そういえば。

いや、そういえばチョロッと出たな。

うん、生理は来てるな?

いや、でもそれは。

“あの日”を基準に考えてのことであって。



「(………まさか、)」

「咲、お前、大丈夫か。
ホントウに……?」

「大丈夫だいじょーぶ。
過保護だよ皆、たとえブッ倒れても自己責任じゃん?ほっときゃいーのよ」

「いやお前が倒れたら三重の意味で心臓に悪いぞ」

「自己管理も出来ない女って笑ってよ。呆れて、バカにしてさ!
だが生憎私は倒れん!」



吐き気の波間に笑顔を繕って、馬鹿話を見繕って、タイミングを見てその場を立ち去る。

―――馬鹿馬鹿しい。

吹っ切ったつもりなのに、私は……………いや。

今は、何も考えずにただ眠りたい。

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