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こっそりひっそり。
2人だけの秘密。
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03/24(Mon) 19:52
時世
「(´・ω・`)」
「なんだそのカオ」
「え?どんなカオだって」
淡々と準備してさっさと出ていくリゾットを行ってらっしゃいして、見送ってたらホルマジオがなんか絡んで来たよ、なんだよもう。
ただ何かあったのかなって純粋に心配してだな……。
まぁ外食もいいけどね…うん、…外食。
「ってことでやっぱりホルマジオの奢りね太っ腹!」
「だーかーらーよォーー」
「いや、少なくとも君の分はホルマジオ君が出すよ。女性に食事代を出させるなんてイタリア男の名折れだからね」
「っだよ、それならフィレンツェ。お前が出してやればいいじゃねェか、いやいいケドよォ〜〜〜」
「ふむ、だが彼女は女性じゃあないし」
「待てコラどういう意味っすか先輩」
いやいや、本気で集りはしないけどね。
私だって、そりゃ彼らには劣るけどそれなりに稼いでるし。
フィレンツェさんをじと目で睨み上げながらさりげなく暴言吐いて、それからやっぱりホルマジオに。
「冗談はとにかくとして、折角ならガッツリ美味しいモノが食べたいですが」
「リゾット抜きで?」
「あっちはあっちでタカるんじゃないかな!」←
「えぇ…今から正装し直すのは…」
「それは私も嫌だな……いや、コードなくても美味しいティラミスある所もあるでしょう?」
「いいね、ティラミス」
「オイオイ、しょうがねぇなあぁあ〜〜〜!
メシ食いに行くんだぜ?
メインはメシ!!」
ホルマジオは何か言っているが。
フィレンツェさんも言ってくれたし、いや別にフィレンツェさんの料理でもいいんだけどね!
尤も明日は彼の誕生日だし手間増やす真似流石にしたくないしね!
「という訳でつれて行って下さいな」
「車、頼むぜ」
「…ああ、ウン……」
「あ、他の面子呼ぼうか、フィレンツェさんの奢りだって言って」
「何でだよ」
いや、言っただけです。
兎に角ティラミス食べたいティラミス。
“Tira mi su”の意が
“天にも昇る心地”であることを知った日、
私はイタリア人のセンスに脱帽した。
ティラミス食べたいティラミス。
もうそれしか考えられない責任とって食わせろ畜生。
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03/24(Mon) 21:01
ロビン
「いっただっきまーす!」
咲ちゃんリクエストのティラミスの美味しい店は、この辺りで私の知る所だと3軒ある。
「きゃーラビオリ♪」
…が、3軒とも今日に限って店仕舞い。
「どォ〜もおかしいと思ったぜ、あの八百屋が早仕舞いするんだからな。」
「仕方ないさ、誰もミランとユベントスには勝てないよ。」
「ミラン?ユベントス?」
「「サッカーの話。」」
「あぁ!」
観戦ならば個人的にはバレーボールの方が好きなのだけど。
「なぁ、何か酒ねーか?」
「…あるけどガブリエルの」
「じゃあいい。ぜってェ飛び上がるくれェ高ぇに決まってる。」
「賢明な判断だよ。」
「このエビもーらったぁ!」
「あッ!このッ!」
「ほら、お行儀よく出来た人だけだよ、ドルチェは。」
「あ、はい…」
「ざまぁwwww」
「ホルマジオ君も。ジン出してあげようかと思っていたのに。」
「な、それ早く言えよ〜!」
「内緒で1杯だけだよ。ガブリエルのだから。」
「っしゃあ!グラッツェ愛してるぜェ〜へっへっへ!」
「そりゃあどうも。嬉しくて涙が出そうだよ。…何で割る?」
「ロックで!!」
「私も!」
「君はダメ。」
「ケチぃー!」
「はっはっは、残念だったな諦めたまえ!」
「うっわうぜえしキャラわかんねーしハゲだし」
「うるせェ、俺はハゲじゃあねぇ!!坊主だ坊主!!男は短髪って決まってんだろうが!!」
「あら、じゃあアタシったらオンナだったのね。うっかりしていたわ、オホホホホ…」
「おい悪かった、悪かったからやめてくれメシがwwww」
「フィレンツェさんwwよもやまさかあなたがww」
「うん、一緒に居るから移っちゃったみたい。」
「移るww謎の感染経路ww」
「ほら、笑ってないでちゃんと食べなよ。」
「「誰のせいだとww」」
「え?ホルマジオ君だろう?あ、わかったホルマジオ君たら私のこと好きなんだろ。やだな早く言ってくれよだったら今夜2人きりで」
「あぁーッ!!こっち来んな!悪かった!俺が悪かったからギブギブギブ!」
「よし、今のうちに…、エビうまぁー♪」
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03/24(Mon) 22:32
時世
結局、フィレンツェさんにご馳走になることになってしまったのだけれど。
……片付けはちゃんと手伝うから、許してね。
全く日本じゃ考えられないよなぁ…ヨーロッパのサッカー熱は知ってるけどさ…
「お〜ま〜え〜なァ〜〜」
「うまうま」
「ならコイツは貰った!」
「させるかッ!!」
「ほらほら、君たち私の言ったこと…ちゃんと聞いてたのかしら?」
「ブッ……もういいからw止めてwww」
「食欲がwwオレぁダイエットの予定はねぇぞww」
フィレンツェさんがまさかのそーゆー悪ノリするとは思わなんだに、やめてwW
いくら美形でも似合わなすぎるガガさんとはまた系統違うんだから!!
なんて騒ぎつつ。
あー、美味しい幸せ。
「うー………ン、やっぱり他人が作ったモノは無条件に美味しい!!」
「なんか含みがある言い方だね、無理して食べなくてもいいんだよ」
「やだ食べる。
やっぱりティラミスはマスカルポーネだよね、カロリーはブッ飛んでるけど」
「大丈夫大丈夫、むしろもっと肉つけろ」
「駄目、これが筋肉ならいいけど私の場合ほぼ脂肪だから駄目。
因みにそれは胸のことか貧相で悪かったな!」
「フィレンツェ、やっぱ高ェ酒は違うな。おかわり」
「一杯だけだって……」
「シカトするなハゲ!」
「いーんだよ、お前はそれで。女は凹んでるトコ見てるみてーだが、男は凸てるトコしか見てねェよ」
「つまり私は見る価値すらナシとそういうことか、いや見られたくないからいいけど」
「男はだらしない体のが好きなんだよ、なぁフィレンツェ!?」
「ハイハイ、」
「ホルマジオ、フィレンツェさん素面なんだから落ち着いてよ猥談禁止」
……ぐでぐでだらだらと。
楽しい夕食だよ。
うん、でも、まあ。
それで帰る訳もない訳で。
「ところでェ〜〜…」
「折角だから」
「「アルバム!!」」
フィレンツェさんの溜め息は気にしない気にしない。
っていうか、結局ほんとう……明日、どうするんだろうな、フィレンツェさん。
一応プレゼントはあるけど今年は逆撫でしてもなんだしお蔵入りかなぁ……?
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03/24(Mon) 23:29
ロビン
――と、いうわけで。
「はい、ホワイトアルバム。」
「うわ、本当に寒い。」
「風邪引いたぜ。」
「温めてあげようかしら?」
「俺もうやだ…」
片付けをしてもらっている間に引っ張り出してきたのは、我が家にある5冊の白いアルバム。
生まれてから音楽院を出るまでの私や、家族たちの写真なんかが入っている。
「ではでは僭越ながら…!!」
「どうぞ。」
1ページ目は生まれたばかりの私を囲んだ家族写真。
2ページはヴェローナを囲んで。
それからは日付順に。
「うわぁ、うわぁ…!!」
「おぉ、おっちゃん若ェな!」
「男前だろ?」
私の後ろに母親とばぁちゃん、その後ろに父さん。
「うわぁ………」
「どう、感想は?」
「そりゃあイケ面生まれるわ…」
「なんだいそりゃあ。」
…まぁ、母親も見た目だけならかなりの美人だ。
中身は最悪だったがね。
「可愛らしいおばぁちゃん。」
「だろ?私にピアノとチョコレートを教えてくれた愛すべき人さ。」
ページを捲っていけば、蘇る記憶。
不思議だな、その時流れていた音楽や言葉まで思い出すんだから。
「あ、きたきた来ましたよ我らがプロシュート兄貴!満を持して!!」
「可愛いだろ、白くて小さくて、私が触れたら今にも壊れてしまうんじゃあないかと思ってね…最初はどうしたらいいかもわからなかったよ。」
「なんかわかる、だってすごく大事そうに抱いてるもの…」
この時のことは今でもはっきり覚えている。
どこまでも安らかな寝息。
小さくも力強い鼓動。
儚げで頼りない身体から伝わる命の温度。
こんな小さなものが、やがて自分のようになるのかと――
「………あれ、え?ちょっ、フィレンツェさん…?」
「ん?あぁ、いやすまないね、これだから歳は取りたくないよ。」
――感動したんだ。
生きてくんだ、この子も。
そう思ったら。
心が震えて。
なぜだか訳もなく無性に泣けてきて。
「おいおいまだそんな歳じゃあねェだろ?ったく、」
「“しょうがねぇな”って?」
「それ俺のセリフな。」
守らなきゃって。
そう思ったら、どうしても生きたかったんだ。
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03/25(Tue) 08:44
時世
アルバム。
フィレンツェさんの家族。
全くもって、彼が美形なのは当然がごとき麗しき家族だったなんだこれ。
父親は格好いいし、母親はとびきりの美人だし、祖父母だって…こりゃいい歳の取り方したんだろうね。
若い頃が忍ばれる。
フィレンツェさん自身だって、ありえん、誰おまな可愛いさだ。
ちょっと気弱そうなとことか嘘だろ……(笑)
それからこちらも。
金髪で天使な妹さん。
そしてやっぱり天使なプロシュートさん。
アルバムを眺めて、好き勝手な感想を言う私達に穏やかに語るフィレンツェさんはなんか、
っていうか、
やめてくれ。
泣き出したんだけど。
フィレンツェさん。
何故か、ちょっと困った。
可愛い、白くて小さくて、ふわふわな赤ちゃん。
やわやわ。
やっぱり白人の子供の可愛さは凄いや……。
殆どそっちに意識持ってかれてたのにお陰で現実に帰ってきちゃったし。
……案外さ、涙もろいよねフィレンツェさん。
「あれですね、自分の子供の時どーすんですか」
「おい咲、」
「娘とか嫁にはやらんとか案外やりそうw
ただし外面は幸せならいいとかやってそうw」
「やめてくれよ…」
茶化して、適当に流して、アルバムのページを勝手にめくる。
取り敢えずフィレンツェさんが予想外の可愛さ。
プロシュートさんは予想通りの可愛さ&こまっしゃくれ具合。
妹さんと並んでると…?
ほんとプロシュートさんと兄妹みたい(笑)
勝手にアルバムをどんどん捲って、まぁほぼ無意識だったけど。
ふと、視線を感じて手を止めた。
「…あ…はは…」
「お前なぁ……」
顔を上げたら呆れた顔のホルマジオ。
…いや、だってさぁ……。
うん、私が悪ぅござんしたよ。
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