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製作者たちのいろいろ。

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05/31(Tue) 05:34
会話スレ改め陰陽師スレ
ロビン




まさかのRound3(・ω・`)



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05/31(Tue) 08:18
【しのぶれど】
ロビン




「あれは私の、最後の謀ということです。」

「そうでありましたか…」

「山中であの方々が笛を奏でていらした折りに思い付きました。貴殿の友を利用し、出来うる限り貴殿にだけは手出しをさせまいと…」



ふむ、と得心のいったご様子の主様。

腕を組み、そして。



「よくご存知で御座いました、五位鷺殿。」

「私は元々文官ですし、永らく生きております故。」



お二人だけはわかっているようだけど、やはり何が何やら。

そう思うていたら、珍しく同席していた乙護法様が私の様子を察してくれたらしく。



「陰陽師と坊さんは違うんだ。坊さんは成仏を、陰陽師は魂そのものを滅してしまう。だから五位鷺殿は主殿ではなくあの三人の笛の音に賭けたんだ。」



あぁ、そのようなことでありましたか!

やっと得心がいきました。

お礼を述べて己の無知を恥じ、紛らわすために笑うと、乙護法様も笑う。

悪鬼や怨霊と対峙する時は恐ろしく冷たいお顔をしているけれど、こんな時の乙護法様の微笑みは誠、心が洗われるようだなぁ。



「貴殿は、これから如何なさるのです。」

「…さて、いつまで生き長らえてしまうことやら、私にもわかりませぬ。何をするつもりも金輪際御座いませぬ故…」

「では、このようなお勤めは如何でしょう。」



主様はそう言うと、袂から文を一つ、五位鷺さんに差し出した。

はて、あれには何と書かれておるのか…





*****





「五位鷺さん、笑っていらしたね。」

「あぁ。笑ってた。」



“おや――はは、これはこれは。まるで私のために誂えたようなお勤めで御座いますな”



五位鷺さんは帳簿を付けるのが得意だそうで、その後、件さんと共に“よろづや”にてお勤めしていらっしゃるのだとか。

件さんは案外忙しい方のようで、あれからお見かけしてはいない。



“もし私が、カルマ殿のような漢であったなら…”

“在りし日に、私たちが間違いを犯さなければ…”



「乙護法様、」

「ん?なんだいお狐殿。」

「…何だっけ。」

「??」

「言いたいこと、忘れてしまいました。あはは!」

「何だいそりゃあ…はは。」



行こうか。

行きましょう。



そういうことになった。





(続

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05/31(Tue) 13:53
【しのぶれど】
ロビン




それはもはや、ただのつまらぬ俺の“意地”であったよ…



床に臥し、幾日か。

俺は未だあの姫君を想うておった。


皆は俺を気遣い、本日まで顔は出すまいと文を寄越したが。

要らぬ気遣いであった。


昼前にリゾルート殿が式神を伴い俺を見舞って下さった。

あの白銀のいと愛くるしい狼殿がぺろりと口を舐めると、不思議と身体が楽になった。

以前、リゾルート殿が申しておった“神の力”とはかようなものであるのかと、僅かながら驚き。


…まぁ、よいのだ。

それはそれとして。


俺は、未だあの姫君を想うておる。

それは辛く、胸を掻き毟りたくなる程狂おしく。

首から胸にかけてじわりと広がる痛みは、苦しくもあり温かくもあり、また切なく甘くもあった。


いずれ、忘れよと人は言うだろう。

しかしどうして忘るることなど出来ようか。


無責任に言い放つ、傍観者共は俺の何を知ったわけでもあるまい。


…昔から、そうだった。


どんなに励もうと“あの男”には勝てぬ憐れな男よと。

面と向かって申せぬ性根の曲がった連中であった。


されど、そうなのだ。

そうだったのだ。


何も間違うてはおらぬ。

俺は何一つ満足にあやつに勝てる物など無かったのだ。


女々しくも嫉妬をした。

あやつを呪いたい気持ちで満ちてゆく己の心。


口惜しくてたまらなかった。

情けなさに泣きたくなった。



されど、俺は男であるからな。



つまらぬ男のつまらぬ意地を、突き通した。

涙など流すまい、姫君の想いを届けてこそあの場では男と申すものぞ、と。

どんなに口惜しかろうが。

どんなに矜持をへし折られようが。

姫君のために俺に出来たのは、“あの男”に頭を下げることくらいであったよ。


…誠、情け無い話だ。



「………あまつかぜ、」



美しかったなぁ…



「雲の通ひ路、吹き閉ぢよ――」



雪の中、降り注いだ光に包まれ天に昇る様はまるで天女のようであったよ…



「乙女の姿、しばし留めむ…」



“忘れる必要など無い”



「……忘らるるわけなど…」



一生を懸け、供養して差し上げよう。

姫君、お慕い申す――





(続

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05/31(Tue) 14:40
【しのぶれど】
ロビン






昼日中、徒歩にてカルマの屋敷へ向かう。

明日より楽所に参ると文にはあったが、顔を見ぬことにはどうにも。


道行きにガブリエルと会い、共に向かうこととなり。

私はふと、思うた。



あやつは今、苦しみの中に居るのであろうな、と。



実は初めから気付いておったと知れば、あやつはどう思うであろう。

我が屋敷に張り巡らせた札が変成男子法に関わり無きものと、あの姫君が屋敷の周りに佇んだ折りに感づいたと知れば…


そう、姫君の姿など、私には初めから見えておったよ。

声も聞こえておったのだ。

されど、お前の姿を目の当たりにした途端。



「………」



あぁ、やはりお前は俺から離れてゆくのだな。

そう思うた。

ほら見たことかと。

思うた通りではないかと。



――あれは、嫉妬であったのか?



今となってはわからぬけれど。

沸き立った感情に飲まれまいと俺は必死であった。

姫君にこの拳が通用するのなら、振るっていたやもしれぬ。


…全てが今更だ。

姫君は恨むまいよ。


常闇の中、手を伸ばしてくれた者は多からず居た。

家の者以外では、お前が初めてであったよ。


楽所へ入り、幾年。

あれが妬み嫉みの類であったとわかった時、お前からも微かに感じてはおった。

おったのだが、それさえ己を奮い立たせる力に変えるお前を好ましく思いつつ、羨ましくもあり、…より一層寂しくもあった。

俺に追い付き、追い越され、嬉しいと感じながら憎らしくもあったのだ。


人の世は移ろう。

僅かであることも、大きく変わることも。

変わらぬものなど何一つ無いこの悲しき世の中で。

お前もまた変わってゆくのであろうな。

あの姫君への想いさえも。

形を変えて…



「フィレンツェ、」

「何だい、ガブリエル。」

「大丈夫よ。」

「ん…?」

「私が、護ってあげるから。そなたの大切に思う全てを。」

「……あぁ。」





変わってゆく…



「花の色は…」



俺も、お前も淀みなく流るる時の中に。



「移りにけりな、いたづらに…」



“爺になったら、のんびり気ままに楽を奏でて過ごしたいなぁ”

“爺になったら?”

“お前もだ”

“…うん!”



「……我が身世に――」

「世に振る、」

「「眺めせし間に……はは!」」





(続

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05/31(Tue) 15:55
【しのぶれど】
ロビン




主様の御祈祷を見たのは初めてだった。

カルマ殿の御屋敷にて、主様は障りや穢れを除き回復を早める御祈祷だと仰った。



「早く良くなるといいですね。…主様?」

「…あぁ、良くなるとも。」



フィーネ君は主様のお膝の上で眠ってしまった。

乙護法様は背振山に一度お帰りだそうで。



「フィーネが精気をほんの僅か分け与えた故、今宵にも出歩ける程度には良くなっておろうな。」



フィーネ君の頭を撫でつつ、主様はやはり濡れ縁にて酒を嗜んでいらっしゃる。

寒くないのかしら?

でもまぁ、確かにお庭は雪化粧を施され、欠けたる月の闇夜に青白く浮かび上がる様は大層美しい。

フィーネ君も主様を独占出来てさぞ嬉しかろ――





………ん?





「どうした、行き遅れの化け物じみた顔などしおって。」

「…フィーネ君がカルマ殿に精気を?でしたらあの御祈祷は――じゃなくて主様!!行き遅れの化け物とはあんまりではありませぬか!!」

「喧しい、嘘偽りは無かろう。」

「だからって…だからって…!!」

「騒ぐな。フィーネ君を起こすでない。」

「解せぬ…!」



杯に酒を満たし、一口。



「カルマ殿に施したのは“愛染明王”の法だ。」

「…愛染明王、で御座いますか…?」



な、何だろう、既視感が…あぁ何時ものことか…



「愛欲を慈愛や博愛、敬愛に昇華させられるそうだぞ。」



なるほどなるほど…ん?



「主様、随分と投げ遣りな物言いで御座いますね…」

「あんなもの必要無かったようだからな。」

「必要無かった?…何故で御座いましょう?」

「既にそのつもりの者に施した所で意味などあるまい。」



そうか、それもそうだ。



「所でお前、酒は飲めるか?」

「飲んだことはありませぬ故、わかりませぬ。」

「なら少し飲んでみろ。」



差し出された主様の杯には半分程残された酒。

嫌な予感しかしないけれど…



「おんまからぎゃばぞろうしゅにしゃばざらさとばじゃくうんばんこく。」

「…??」

「気にせず飲め。」

「あい…有り難く頂きまする…」





「今の真言を唱えるとな、恋愛成就となるのだ。」





(続

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