期待させないでよ──…
□白と赤のマフラー
2ページ/2ページ
「何があったんスか、雪愛っち?」
「き……せ、くん……?」
後ろから抱きしめられてる格好になってしまった私は、耳元で黄瀬君に囁かれた。
なんだが耳がくすぐったくて、たぶん顔は真っ赤。
赤司君が見てたら、どうしよう……。
ああ、けど、赤司君にとって、私ってどうでもいいんだった……。
マフラー、もらってるんだもんね……。
不意にふわり、と何かに包まれたような感覚。
首元があったかい。
「あ……」
これ、私のマフラー?
黄瀬君が巻いたの? 私に??
よくわかんないけど、黄瀬君的には、意味があることなのかな?
「オレだって、────なのに」
ボソッと黄瀬君が何かを呟いた。
けど、その言葉は私には聞こえなかった。
聞き返そうとして、顔を上げると、私の視線とぶつかったのは、赤と黄色の目。
赤司君……。
ねぇ、そんな目で私を見ないで。
お願いだから、そんな面白くなさそうな顔で、私を見ないで。
マフラーもらってるくせに……
──私に期待させないで。