期待させないでよ──…

□白と赤のマフラー
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「何があったんスか、雪愛っち?」

「き……せ、くん……?」


後ろから抱きしめられてる格好になってしまった私は、耳元で黄瀬君に囁かれた。
なんだが耳がくすぐったくて、たぶん顔は真っ赤。

赤司君が見てたら、どうしよう……。


ああ、けど、赤司君にとって、私ってどうでもいいんだった……。
マフラー、もらってるんだもんね……。






不意にふわり、と何かに包まれたような感覚。
首元があったかい。


「あ……」

これ、私のマフラー?
黄瀬君が巻いたの? 私に??

よくわかんないけど、黄瀬君的には、意味があることなのかな?





「オレだって、────なのに」


ボソッと黄瀬君が何かを呟いた。
けど、その言葉は私には聞こえなかった。



聞き返そうとして、顔を上げると、私の視線とぶつかったのは、赤と黄色の目。

赤司君……。







ねぇ、そんな目で私を見ないで。

お願いだから、そんな面白くなさそうな顔で、私を見ないで。



マフラーもらってるくせに……









──私に期待させないで。
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