期待させないでよ──…
□勝負の日っ!
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あれから1ヶ月──
ついにマフラー完成しましたっ!
先生も綺麗に出来てるって言ってくれて、ちょっと自信ついた、かな。たぶん。
「行くよ、雪愛!」
「う、うん。でも、ちゃんと、渡せるかな……?」
「雪愛なら大丈夫だよ!
というか、何が何でも渡すよ!? クリスマスはテツ君と過ごしたいし……」
そ、そうだよね。
赤司君、モテるんだし……。
私が頑張らないと絶対実らない恋だもんね。
それに、クリスマスには冬休みに入ってるから、気合い入ってる子も多いし……。
私はギュッと赤いマフラーを抱きしめる。
「……よしっ! 頑張る!」
「その意気だよ、雪愛!」
さっちゃんと一緒に廊下へ出ると、
「──なのだよ」
「へー。てか、別にきょーみないしー。お菓子食べていいー?」
「いんじゃね?」
「よくないに決まっているのだよ! あと、てきとうなこと言うなふたりとも。」
寒色系の三人組がいた。
「ねえ、何の話してるの? 緑間君、青峰君、紫原君」
「お、白季ちょうどいいとこに……。あ、さつきも」
「もぉ、何それ、私オマケ!? 大ちゃん酷い!」
ぷうっと頬を膨らませるさつきに、くすっと笑う黒子君。
……えっ、え、黒子君!?
「く、黒子君、いつからそこに!?」
「て、ててててて、テツ君!?」
さ、さっちゃん、噛みすぎだよ……。
「最初からいました。少なくとも、桃井さんや白季さんが来るよりも前にはいましたけど」
ホントに……?
相変わらず影が薄いね……。
隣でコクンと唾を飲み込む気配がした。
さっちゃん、仕掛けるのかな……?
「……あの、テツ君。話があるんだけど……。
ちょっと、いいかな?」
「いいですよ。じゃあ、そっちの方で……」
そう言うと、黒子君はさつきの手を引いて行ってしまった。
というか、手を引いてって……黒子君、すごい。
さっちゃん、頑張れ!!
私も頑張るから……!