期待させないでよ──…

□部活の休憩時間
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「雪愛ーっ!!」


部活の休憩時間が終わり、タオルとスポドリのボトルを回収していると、
急にさっちゃんに抱きつかれた。


「さ、さっちゃん!? え、えと、どしたの!?」

「ヤバい! 今なら死んでもいい!!」


「い、いきなりどうしたのーっ!? ていうか、さっちゃん、死なないで!?」


「だって、幸せすぎて……!! あのねあのね!」



ムダにさつきの主観が入っていたのでまとめると、こういうことらしい。



・休憩時間に黒子君にタオルとスポドリを渡した
・そしたら、「ありがとうございます」と笑ってくれた(さっちゃんの言葉を借りるなら、天使スマイル)。
・で、今幸せだと。


「よかったねっ! 黒子君の笑顔はレアだよ!」



そう言いながらも、私はさつきが羨ましかった。


私、全然積極的になれないからなぁ……。
それどころか、目が合うだけでもドキドキしすぎて何も考えられなくて……




「あ、そうだ、雪愛。いいこと教えてあげる」


いいこと?

「何かあったの?」


そう聞いても、さつきはふふふと笑ってるだけ。
……なんか怖い。


「ねーえ、さっちゃーん?」

さっちゃんの肩をゆすると、やっと教えてくれた。





「あのね……」

さっちゃんの話は思った以上にいいことだった。
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