弟はおとなりさん

□弟はおとなりさん*2*
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放課後の教室

窓を叩く強い雨…

空を隠す真っ黒い雲…





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弟はおとなりさん

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『やっぱり部活休みだって〜!』


夏休み目前の7月…
今年初めての台風が、関東に近づいて来ていた。

「やった!休みなんて久しぶりだ〜〜」
『明日は学校も休みになんないかな〜?』

彩と窓の外をのぞく。
朝からしとしと降っていた雨が、今では強くグラウンドの木々を揺らしている。

「休みになってほし〜ぃ…。期末の勉強全然進んでない…。」
『私も〜…。運動部なんか入るんじゃなかったかも〜!』


勉強に部活に学校行事…
想像していた以上に高校生活は忙しく…

気が付けばもうすぐ1学期が終わる。


『そういえば、中等部の男テニ!関東大会であの氷帝に勝ったんだって!!?
真子の幼馴染すごいじゃん!』
「あぁ…、うん」
『大和先輩が嬉しそうに話してたよ!』
「そうなんだ…」


思い出すあいつの笑顔…。

地区大会までは応援に行けたけど…
それからは何かと忙しくて、全く応援に行けてない…。

ていうか…
GWにお互いの家族でキャンプに行ってから、ほとんど武と会えてない。

私もあいつも部活で帰りが遅いし…
高校の勉強についてくのに必死で、武の部屋に遊びに行く余裕がなくなってしまった。

武も予定があるのか…私の部屋に来ない。



さっきより雨風が強くなったのを見て、彩と慌てて昇降口に向かう。

『あ、ママからメール…。
やった!迎えに来てくれるって!
真子もうちの車に乗ってきなよ?』
「え?いいの?」
『うん!なんかもうすぐ着くみたい』

ラッキー!

傘をさして校門まで急ぐ…

風に乱れる前髪を押さえて門を見れば、丁度赤い車がハザードをたいて門の前で停まろうとしていた。



あれ…?


門のそばに見える人影。


あの傘って…




「……タケ?」


桃「おう、久しぶり」


2ヶ月以上ぶりに見る笑顔…


『あれ〜?桃城くんじゃん⁉︎
どしたのこんなとこで〜〜?』
桃「雨強くなってきたんで、こいつ迎えに来たんすよ」
「…!!?」

ぽんぽんと私の頭をなでる武。
久しぶりに触れた手が、なんだか大きくてビックリする。

「ちょっ!弟のくせに生意気!」

傘を傾けて武を睨む。

顔があると思って見上げた場所にあったのは…
太く、男らしいのど。



…あれ?
タケって…こんなに背、高かったっけ?



『いいなぁ〜、こんなかっこいい人が迎えに来てくれて〜!弟っていうより彼氏みたい!
桃城くん、真子のことよろしくね!』
桃「ういっす!彩先輩も気を付けて」

じゃあね!と、手を振って赤い車に乗り込む彩。
はっとして、慌てて私も手を振った…。














弟はおとなりさん*2*

〜 久しぶりの家族 〜

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