青春学園中等部

□瞳を閉じて心のまま僕は君を想う
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交差点の向こうに…

キミを見つけた時…

これはきっと運命なんだって…

本気で思ったんだ…





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瞳を閉じて 心のまま 僕は君を想う

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たまに部活が早く終わった帰り道。
キミは必ずあそこにいるんだ。

初めてキミを見つけた交差点。

今日もほら…

横断歩道の向こう側で、楽しそうに友達と話をしているキミ。

こっちを見てくれないかな…
目が合わないかな…なんて

そう思ったらキミから目が離せなくて…
隣ではしゃいでる英二や桃の声なんてすごく遠くにいってしまうんだ。

小さな僕の願いはやっぱり今日も届くことはないまま…
信号が青に変わる。

すれ違うと…
風になびくキミの長い髪の甘い香りが…
僕の鼻に残る。


次はいつ会えるだろう…

そう思うだけで
キミを想うだけで…


毎日が輝いて見えてくるんだ。


横断歩道を渡り切って振り返れば…
交差点の向こうに歩いて行くキミの背中。

そっと瞳を閉じて…
届くことのないキミへの気持ちを
心のまま僕は囁く。






『好きだよ』











あ…

まただ…

時々この交差点で聞こえる

誰か優しい声。

それは不思議と私にしか聞こえてなくて…
キョロキョロする私を友達が首をかしげて見ている。


あなたは誰?


顔も知らない優しい声に
私はずっと恋してる。















慌てて乗り込んだバス。
英二の買い物に付き合っていたらすっかり遅くなってしまった…。

窓の向こうの街がゆっくり暮れていく。
あの木々を揺らしている風は、キミのところにも行くのだろうか…

今日はキミは何をしていたんだろう。
夕飯はもう食べたかな。

流れていく景色の中に想うのは
キミのことばかりだ。


寄り道してる子供達の賑やか声を横切って、バスは停留所に停まる。

ぼんやりと眺めていた茜色の景色の向こうに…



会いたくてたまらない

キミの横顔。


衝動的にバスを飛び降りる。
自分でもこんなの僕らしくないって思うけれど、もうそんなの考えてられない。

踵で踏んだ水たまりが僕のズボンの裾を濡らす。
それは大きくシミをつけて広がっていく。


ああ、やっぱり僕らしくないな…。







「大丈夫ですか?」







顔を上げると、

目の前に…
可愛らしいハンカチを差し出しだす

キミの笑顔。



ああ…
やっぱりこれも運命だ……



その綺麗な手をそっと握ると
驚きながら少し頬を染めるキミ…。


やっと言えるよ…


速度を上げる僕の鼓動が
新しい未来へのドアを急かすように叩く…







『ずっとキミに伝えたかったことがあるんだ…』












いつも交差点でしか聞こえなかった

愛しい声…


それが今は目の前から聞こえてくる…


私の手を握りながら…

私の目を見つめながら…


優しく微笑んで……


聞こえて来たのはやっぱりあの言葉…









『好きだよ』
























(ずっとずっと君を想うよ……)
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