LOVE TAKE

□take2
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叶わぬ恋をしたあの日から9年後……俺達は大学は一旦離れて偶然同じ会社に入った。

会社の名前は霧竜《キリリュウ》。製菓子メーカーではあるが有名ではないのでほとんどの人が知らなかったりする。

優達が所属する部署は主にお菓子のデザインを考え提出する。
そこの部長が夜だ。

「今回の新商品のデザインは………」

高校時代よりは、伸びた髪。後ろで縛ると肩につくかつかないかぐらい。

(……相変わらず…かっこいい。けど、何かムカつく)

ぶっすーっとしながら横目で夜を見る。
すると、目が合ってしまってつい目をそらしてしまう。

(って、オレは中学の乙女か!!)

「……で、そのデザインを神城 優を中心にして皆に考えて欲しい」

パチパチと拍手の中、優だけ思考が停止した。

(……………はい?)

会議が終わり、ぞろぞろと皆は自分の仕事に戻っていく。
俺は、夜を捕まえて説明を求めた。

「どういう事だよ。俺が仕切るって」

「…誰かさんが、まだ学生気分見たいだから」

「なっ…「だって、そうだろ?会議中にも関わらず黄昏てたんだからな?」

その一言にぐぅの音も出なかった。
夜は、優のネクタイをぐいっと引っ張りながら言った。

「悔しかったら、成功させてみな」

「ぜっっっっったぁい、成功させてやる!!」


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