進撃の恋愛SS
□訓練兵時代@
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「アニ…?訓練はちゃんとやろうよ」
教官の目を盗んで、また訓練をサボろうとするアニを、アルミンは引き留めた。
「チッ…。アルミン…またアンタか」
アルミンは、これまでも何回か訓練から逃げようとするアニに注意してきた。
「今日の訓練表では僕とアニのペアだったんだ」
人差し指で頬を掻きながら、アルミンはアニの目をろくに見れずに言った。
「ペアじゃなくても、アンタいつも注意しに来るじゃない」
アルミンはアニの怖い顔を見て怯んでしまう。だが訓練をちゃんとしたいアルミン。
「それは…アニに、死んでほしくないからね」
アルミンにしては珍しく、言い訳がましくアニには聞こえた。
「余計なお世話。アンタ、人のこと言う前に自分を強くしたら?」
「うっ…だから!アニと手合わせして強くなりたいんだ!」
もう一押し…!アルミンは今度はアニの目を見つめて言った。
「……アンタってほんと真面目」
苦笑するアニ。アニはいつも怖い顔をしているので、アルミンは少し嬉しかった。
(アニも…こんな表情ができるんだ)
なぜか嬉しくなっているのを悟られないように、アルミンはもう一度言った。
「僕はアニと訓練したいんだ」
アニが仕方ないというふうに言い放った。
「手合わせしてあげるから、アルミンが私に勝ったら訓練を続けるよ」