キャバすか学園部屋


□交錯する想い
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 ”とある日の龍虎”




 この日の営業を終え、店主の佑真と圭介・そして看板娘として働くおたべこと由依は店のかたずけをしていた




 一通りのかたずけを終えた佑真は椅子に座り、圭介は3人分のお茶を用意した












佑「今日も働いたなぁ〜…」




圭「若い子たちはよく食うから苦労するよ」




佑「せやな…あぁ〜俺も腹減ったわ」




圭「まかない準備するか」




お「あっ……私はええですっもう帰りますので」




圭「えっ…今日も?」




佑「由依…最近帰るの早ないか?」




由「そっそんなことないですよ!」




佑「………………」




由「ほっほな…お先し失礼します」




圭「うんっ明日もよろしくね」











 佑真と圭介に一礼し、由依は荷物を持って龍虎を足早に出て行った










佑「……由依の奴…ここんとこ店しめたらすぐ帰るよな」




圭「そうだな、まかないも食べずにどこ行くんだろうか……それ以前に由依ちゃん最近出勤数増えてないか?」




佑「言われてみれば…真昼間にいれてるときもあったよな」




圭「マジ女で何かあったのかな〜……」




佑「………圭介ッ由依を尾行するで」




圭「尾行って…何もそこまですることは」




佑「ええからいくでっ」




圭「おっおい佑真…たくしょうがねぇなぁ〜」











 佑真の後を追い、圭介も店を閉めッ夜の闇の中へと消えていった




 しばらくすると、佑真と圭介は夜の道を歩くおたべの姿を確認した











佑「おった…てかここ繁華街やないか、こんな夜に何の用があるんや」




圭「これマッポ(警察)に見られたら俺らがアウトだよ……頼むから隠密にね」




佑「わかっとるわっ」











 夜の繁華街…光り輝く町に入り込んだ佑真と圭介、もうしばらくすると…おたべはとある建物の中に入っていった











佑「ビルに入っていった、なんの店が…あるん……や…」




圭「どした佑真……えっ…嘘っ!?」




 ”キャバクラ 水族館”




圭「嘘やろ……あの子何を考えとんねんッ」




佑「……ッ」












 佑真の顔は現役時代に恐れられた虎の顔になっており、拳を握りしめながら傍の電柱に拳を押さえつけていた












圭「佑真……今はこらえろ、理由はどうあれッここでもめ事はまずいぞ」




佑「………店に戻るわ」




圭「俺は由依ちゃんが出てくるまでここで待ってるよ」




佑「出てきたら……店に来るように言っておいてくれ」




圭「わかった……」






























 ”数時間後”




 仕事を終えた唯やさくらといったマジ女メンバーが建物から出てきた




 その中にはおたべはもちろん、西園寺やつけ回しのサトシもいた













西「お疲れ様でしたッ明日もこの調子でよろしく」




唯「はい…ということで解散です」




ウ「はぁぁ〜……まだ慣れねえな」




ジ「けど激尾古には負けらんねぇからな」




カ「やるっきゃないじゃろ‼」




さ「相変わらず滑舌悪いな…お前」




お「はいはいっ明日もあるんやから、早く帰って休むで」




 ”シュンッ”




圭「……………」




お「えっ!?」




唯「けっ…圭介さん!?」












 突如として唯たちの前に現れた圭介、おたべは勿論ッ唯たちも驚いた表情をしていた




 圭介は神妙な顔つきのまま、おたべの前まで歩みを進めた












圭「ごめんね由依ちゃん…あの後君のことを尾行していたんだ」




お「びっ尾行って!」




圭「悪いとは思うけど……これはどういうこと?」




お「……………」




圭「何か理由があるのはわかるけど、これは見過ごすことはできないよ」




唯「圭介さん……」




西「失礼ですが…どちら様ですか?」




圭「藤崎圭介、横山由依の〜まぁ保護者みたいなものです……貴方がこの店の責任者ですか?」




西「えぇっ西園寺と申します……」




圭「………由依ちゃんは俺が連れて帰ります」




西「手荒な真似がご遠慮願いたい、その子はうちのキャスト…大切な稼ぎ手なので」




圭「俺の家族をそんな風に言わないでもらえますか?」




西「ッ‼」












 圭介はかつてドラゴンと呼ばれていた時の鋭い目つきで西園寺を睨み付ける




 西園寺は何かを悟ったのか…一歩後退し、圭介に一礼した











圭「……由依ちゃん…店で佑真が待ってる、ちゃんと説明するんだよ」




お「……はい」




圭「よしっ……唯ッ」




唯「はっはい‼」




圭「みんなのこと…頼むよ」




唯「圭介さん……」











 圭介は由依の手を取り、龍虎に続く道を一緒に歩き始めた




 残った唯とさくらたち水族館のメンバーは、緊張が解けたのかホッと一息ついた











ウ「ビッ…ビビったぜ」




ジ「あんな顔の圭介さん見たの…初めてだよ」




さ「おたべさん…大丈夫かな?」




唯「大丈夫だとは思うけど……あれっ西園寺さん?」




西「……………」




唯「立ったまま気絶してる!?」








 


 数々の修羅場をくぐってきたであろう西園寺すらビビらせるッかつてドラゴンと呼ばれた藤崎圭介……恐るべし!



 
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