四季彩回路

□story2
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あからさまに逃げるように購買に行った陽平を見送ってから、椿は一つため息を吐いて一度自分の席へ戻る。
二つ分ある弁当箱、一つをそっとロッカーに入れて、一つ分の弁当箱を小さなバッグに詰めてから、別教室で待つ切花の元に向かった。

すれ違う人が他愛ない笑みや怒りなどの感情を剥き出しにしている中で、ふと感情とは何なのかと頭を巡らせた。
人によって違うその感覚が、自分一人の感覚だと結論に至った時には何もできないと左手に力を込めた。
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