四季彩回路

□story2
2ページ/5ページ


ぼんやりと教師の話を聞きながら、陽平は感情について頭の端で考えていた。顔を真似することはできても、何故それが自然に出てくるのかが理解できなかった。
椿の方をちらりと見ると、立ったままうとうととしているところが見えた。

朝礼が終わってそのままあまり時間もなく授業に入って、ぼんやりしていたらいつの間にお昼になっていた。椿が陽平のところに来て言った。


「ほら、キリのところに行こう?」

「うん、でもその前に僕は購買で買ってくるから。」

「えっ、ちょっと陽平!」


なんとなく話しにくい気がして少しだけ逃げてしまった。椿が引き止めていたが、それすらも聞こえないふりをしてそのまま購買に向かった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ