四季彩回路
□story2
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ぼんやりと教師の話を聞きながら、陽平は感情について頭の端で考えていた。顔を真似することはできても、何故それが自然に出てくるのかが理解できなかった。
椿の方をちらりと見ると、立ったままうとうととしているところが見えた。
朝礼が終わってそのままあまり時間もなく授業に入って、ぼんやりしていたらいつの間にお昼になっていた。椿が陽平のところに来て言った。
「ほら、キリのところに行こう?」
「うん、でもその前に僕は購買で買ってくるから。」
「えっ、ちょっと陽平!」
なんとなく話しにくい気がして少しだけ逃げてしまった。椿が引き止めていたが、それすらも聞こえないふりをしてそのまま購買に向かった。