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□おでかけ
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黒子は珍しくウキウキしていた。
それは今日は日曜日で久々のオフなので、誠凛のみんなと出かけることになっているからだ。

「楽しみですね。どこに行くのでしょうか。」
黒子はまだどこに行くか知らされていなかった。

集合場所の最寄り駅についた。
まだ誰も来ていないようだった。
しばらく待っていると

「ねぇ、きみ。俺らと遊ぼーぜ!」
と見るからに悪そうなグループに囲まれていた。
一瞬黒子は誰に話しかけているのかわからなかった。

「…ぼ、ぼくですか?」

「きみしかいないでしょー」
グループの一人の男が黒子の腕を掴む。

「っ!?はなしてください!」
黒子は振り払おうとするが力が強くてかなわない。

「きみさ、可愛い顔してるよね、その格好もいーよ!俺好み。」
黒子が絡まれたのは実は今日の服のせいなのだ。
先輩たちと出かけるのに変な格好をするわけにはいかないと考えた黒子は黄瀬に相談していたのだ。
そして今日の格好は黄瀬がコーディネートしたものだった。
流石モデル、普段の黒子の影の薄さはなくすっかり美少年に仕上がっていたのだった。

「はやくいこーぜ!!」
黒子が連れて行かれそうになったとき

「おい!てめぇらそいつをどこに連れ
て行く気だー?!」
クラッチタイムを発動させた日向がいた。

「っ、キャプテン!」

「日向だけじゃないぜ!」
よく見ると誠凛のメンバー全員がいた。

「っ!?みなさん」

「おいてめぇらそいつどこに連れて行くのか聞いてんだよ!」
「は、別に連れて行こうとかしてねぇよ。この子が一緒に遊びたいっていうから。」

「そんなこと言うわけないだろ!今すぐこいつから離れろ!!」
火神が言うと不良たちは火神の睨みに怯んだのか小走りで去って行った。

「大丈夫か?」
火神が優しく聞くと黒子は火神にしがみつき泣き出した。

「うぇっ、こわかった、です」
それを見たメンバーは黒子の頭をかわるがわるなで

「遅くなってわるかったな」

「もう大丈夫だぞ」
と声をかけた。
日向とリコは黒子の泣き顔を必死にシャッターに収めていた。



しばらくして黒子が落ち着くとリコは号令をかけた。


「よし!じゃあ、行くか!」


つづく。
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