初恋のお部屋
□そばにいるよ
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「いゃ!あ、やめっ」
「落ち着け、大丈夫だからな、律。俺がいるから。」
律はたまにおかしくなる。
それは俺たちが一緒に住み始めてわかったことだ。
いきなり暴れ出したり、夜に眠れなくなったり、ご飯が食べれなくなったり、ひどい時には自傷行為までしてしまう。
月に1度病院でカウンセリングを受けているがあまり良くなっていない。
俺は律がああなった理由を知らないが、実は律もわからないらしい。
そして今日も暴れ出した。
いきなりだった。晩御飯を食べて、テレビを見て、律が風呂に入った。
そして俺が風呂からあがってくると暴れていた。
今日は10分くらい経つとおさまったが最近はひどくなってる気がする。
「高野さんごめんなさい。」
律はいつもそういう。
俺は好きで律といるわけだから謝ってほしくなんかない。
それに律が1番苦しんでいることを俺は知っている。
「律、いーから。それよりもう寝ような。」
そう言うと律が腕にしがみついてくる。これは一緒に寝てという合図。
あまり甘えてくれない律がたまに甘えてくれるのは嬉しいし、甘えた律は可愛い。
「律ちゃんは甘えん坊だな。」
俺がそう言うと
「高野さんのバカっ!
もう1人で寝ます。」
せっかく甘えてくれたのに拗ねてしまったようだ。
「ごめんごめん。一緒に寝るぞ。
律、おやすみ」
そう言って律を抱きしめる。
「おや…すみなさ…い」
律はすぐに眠ってしまった。
俺は律が眠ってから作家から原稿が送られてきたのを思い出しベッドから出た。
原稿をチエックしてすぐにベッドに戻ると律はグッスリ眠れているようだった。
俺もベッドに入って眠りについた。