初恋のお部屋
□お祭り
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高野と律は付き合ってる設定。
「律、夏祭り行こうぜ。」
と、高野さんがいきなり言った。
「いきなりですね。」
「もうそういうシーズンだろ。それに俺、行ったことないんだ。」
なんの悪びれもなく高野さんがいう。
「そうなんですか?俺も行ったことないですよ。」
「じゃあ初めてだしはりきって浴衣で行くか。」
「俺持ってませんよ。」
「よし、あした買いに行くぞ。」
と、俺の了解もなく勝手に決めてしまった。
まぁいいか。高野さん楽しそうだったし。
高野さんが浴衣……
かっこいいんだろうな……
って俺なに考えてるんだ!
次の日は仕事が休みだったから朝から俺たちは浴衣を買いに来ていた。
高野さんがエメ編のみんなにいい店がないかを聞いていて、美濃さんが紹介してくれた店だからきっといいものが売っているだろう。
「律、お願いがあるんだけど…」
店に向かう途中高野さんが言ってきた。
「なんですか?」
なんか嫌な予感しかしない。
「お前に女物の浴衣をきて欲しいんだけど。」
「なに言ってるんですかっ!」
ほんとに高野さんなに言ってるんだ!
だいだいおれは男なんだからそんなの似合うわけないだろ。
「大丈夫、お前可愛いから。それに夏祭り行くって言ったら、エリカ様に頼まれたんだ。カップルの写真欲しいって。俺とお前の。」
「なっ!」
カップル///なんか照れる。
俺いますごい赤くなってるんじゃないか?
「真っ赤だな。可愛い。」
「わ、わかりましたよ。やればいいんでしょ!変な目で見ないでくださいね!」
高野さんの嬉しそうな顔を見てしまったからこれ以上なにも言えないじゃないか!
お店では高野さんは自分の浴衣はそっちのけで俺の浴衣ばかりを見ていた。
結局、高野さんは黒で薄くグレーのラインが入った浴衣を買い、俺は高野さんが選んでくれた白地にピンクや赤で梅の花が描かれていて、帯は赤色の浴衣を買った。