Short
□ねつ
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「ただいまー」
久しぶりに黒子の家に帰ると可愛らしい水色が飛びついてきた。
咄嗟に受け止め抱きしめて気づく違和感。
よくみてみるとほんのりと赤い頬、潤んだ瞳、いつもより高い体温。
それでもこの子は笑顔で俺を出迎えてくれた。
「お前熱あるんじゃないか?」
ちょっと迷ってから小さく頷く可愛い子。
「何度?」
「…38.1℃」
この子の平熱は低い方だから大分しんどかったはず。でも無理をするのは相変わらずだ。
ベッドまで運んで寝かせて髪をとくように頭を撫でてやるとすぐにうつらうつらし始める可愛い子。
「一緒に……」
そんな可愛らしいお願いを断るわけもなく小さなベッドの住人の額にキスを落としてから眠りの波に沈んでいくのだった。