Short

□愛され黒子くん
1ページ/7ページ

「あのさー、黒子くん。ちょっと来てくれない?」

そう声をかけてきたのは楠姫花(くすのきひめか)だ。
楠は最近誠凛高校の黒子と同じクラスに転校してきた女子生徒だ。
顔はそこそこ良いのだが、なんせ自分が1番可愛いと思っており、自分が気に入らないやつはいろんな手を使って自分の前から姿を消すという腹黒い女だった。
そしてその楠が誠凛高校男子バスケットボール部のマネージャーになってしまったのだ。
そしてその日から黒子に対する嫌がらせが始まり、冒頭に戻る。

「あんたさ、強くもないのになんでバスケ部にいるの?邪魔なんだけど。辞めてくれない、バスケ。」

「強いかどうかはわかりませんがバスケを辞める気はありませんよ。だってバスケ好きですから。」

「ほんとあんたむかつく。ここにいられなくしてあげるんだから。」

なんとも一方的な暴言をはいて楠は立ち去ってしまった。





「あの、火神くん。タオル貸してもらえませんか?」

黒子のことが大好きな火神にとってなんともありがたい言葉だ。
まぁ、黒子のことが好きなのは火神だけではないのだが。

「えっ!べ、別にいいぜ。」
一斉に火神に冷たい視線が走る。

「ありがとうございま
す。」

きちんと礼をいいうけとる黒子。

「けど、珍しいな。黒子が忘れ物なんて。」
と黒子をどうしたのかと心配する伊月。

「はい。うっかりしていました。」
本当は黒子はちゃんとタオルを持ってきていた。しかしカバンに入れて部室に置いている間に誰かにズタズタビリビリにされ使い物にならなくなったのだった。

(はぁ、ひどいですね。まぁ誰がやったかはわかっているんですが。)






しかし次の日もその次の日も黒子はタオルやら、Tシャツやらを忘れたといい火神に借りていたのだった。
最近では足を捻っていたり、体の目立たないところにぶつかったような後がありさすがにおかしいと思った日向たちは黒子に聞いてみたが、階段から落ちたや、人とぶつかったなどと言うだけだった。

(今は大事な試合前なのに皆さんに余計な心配をさせたくありません。)

日向たちはそんな黒子に何かあったらちゃんと言えよといい、自分たちで黒子を守ってやろうと心に決めたのだった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ