1call*lavcall。・:+°

□妹と僕。
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『入学式か…ドキドキするな…
ちゃんと友達できるかな?』



いよいよ今日は晴れの日!


吹雪あなた雷門高校に入学します!



『いってきます!…ってもう誰もいないか…』



少し悲しいわだかまりを胸に撫で隠して家を出た。


雷門高校に着くまで何度深呼吸をしたか…



『まずは…アレがなきゃ…いいけど…』



新天地に来ると毎回悩まされるアレ。


常にこのアレが私にとって嫌で仕方なかった。



『…』


「ねぇ、ほらあの子じゃない?」

「わっ、確かに似てるな…」

「違うよ、あの子じゃないでしょ」

「羨ましい〜!」

「「吹雪くんの妹なんて」」



別にそんなに羨ましい意味が分からない。


そんなんだったら、妹の座譲りますよ?って感じ。


私の兄である吹雪士郎。


兄も同じく雷門高校に通う2年である。

ひとつ先輩。


兄は、眉目秀麗でスポーツマンで紳士で…


まさに絵本から出てきた王子さまって感じの男子。


実のお兄ちゃんをこんなこと言いたくないんだけど、

“本当に完璧”

これしか言いようがない。



『ボソ)お兄ちゃんの妹やめたいくらいだよ…』



普通なら自慢出来るだろうけれど、私が兄を毛嫌うわけは…


極度のシスk 士「あなたっ!!!!」


『…逃げるしか』



私はこの完璧兄の妹であるがために鑑賞されることが嫌いである。


でもそれ以上に


吹雪士郎の吹雪あなたへの


“シスコン”ぶりが


うっとうしく嫌いなのである。
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