book〜リクエスト〜
□キスの奇跡
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「ねぇ、彩ちゃん手つなごうよー♪」
「嫌や」
「ええやん、寒いもん♪」
「嫌と言ったら嫌!!」
「むぅー…」
みるきーと一緒の帰り道
「あ、じゃあね!バイバイ!彩ちゃん!!」
帰り道、みるきーとはいつもここで別れる
私は軽く手を振る
みるきーはここの信号を真っ直ぐ
私は右の信号を渡る
みるきーの向かう信号が青だった
みるきーが信号を横断する
私はその背中を見送っていた
゛キキキーッッ゛
アカン、車が暴走してる!!!
このままじゃみるきーに……
「みるきー!!!!!!!」
私は叫んだ、今までで一番大きな声で
みるきーは気付いたのか横を向くと目を大きく見開いた
そして走りだす
……間に合え……!
ドォォォォォン!!!!!!
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「…やね……」
誰?
「さや…ね…」
「さや姉!!!」
「…まーちゅん…」
「大丈夫か?あんた道端で気を失って…」
「まーちゅん!!みるきーは?!」
まーちゅんは首を横に振る
ふいに涙が溢れだす
「さや姉…、みるきーは生きてるで、でもな意識戻るかわからんのやって…」
まーちゅんに抱きしめられる
涙が止まらへん
「みるきーの病室行く?」