DRRR

□思い出
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「…なん、で……っ」
どうして刺されたのは俺じゃなくてコイツなんだ…?
辺りを見回し刺した男を捜すがもうどこかに逃げていってしまったようだった。

「…うっ‥」
犯人より苦しそうな声を出している新羅の手当てのが先だ
だって、コイツは俺なんかの為に‥‥

「…折原‥く…?そこに、ある…ガムテー…取ってく…ないか、な…?」
苦しみながらも、途切れ途切れに話す新羅、
「あ、…うん!」
はいっと素早く俺が渡すと新羅はありがとう…といった。

俺のせいでこんなになったのに、俺は…
「…保健室の先生呼んでくるね、じっとしててよ…?」

「あ、うん大丈夫だよ…!ありが…とう」
内心心配してる癖にこんな言葉しか言えない俺は素直じゃないのかもしれない…
せめて
「ねぇ新羅、君のこと刺したの俺だったことにしてくれないかな?」

「え、…どうして?」

「いいから、そうだったことにして」
俺にできることは…
「…でも」

「いいんだ、俺が君を刺したんだ、じゃあね。」
これしかないと思ったんだ。

新羅が何かを喋ってたけど、
俺は部室を出て思いっきり走った。ほかの生徒にわざと大袈裟にぶつかって、
そうしなきゃ怪しまないだろ?
皆が俺のこと。
保健室の先生にはドア腰で呼んだからバレないはずだ
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