DRRR

□気持ちは同じ
1ページ/2ページ

「シズちゃーん…暇ー」

静かな俺の部屋で臨也が口を開いた。

「確かに、暇だな」

今日、いやコイツといるときは殆ど無言の毎日だ
こうなったのはお互い付き合ってからだけど。

「暇だなーじゃなくてなんか話題出してよ」
不機嫌そうな顔をしながらいってくる。
そう言われてもな、
付き合ったばっかりで気まずすぎる
…でも俺らって恋人なんだよな?
やっぱり…キスしたい

「じゃ、恋人らしいことするか?」
付き合った経験が初めての俺が言うのもあれだけどな。

「…する」
臨也にしては短い返事がきた。

返事が返ってきた数秒後に俺は臨也に近付く。
元々距離があった訳じゃなかったが今の距離なら少し動けばキスができる

臨也の小さな肩を掴むとびくっと一瞬少し肩を浮かせながら目を瞑ったので俺は唇に優しく触れた。

「…んっ」

居心地がよかったのか少し声を上げている
予想以上にぷにぷにしていて感触が気持ちいい。

「…そんなジーッと見ないでよ」
少し頬を染めながらいってくるから可愛いなと思ってしまう。
コイツが可愛いのは今にわかった事じゃないのに

そんなことを思いながら、俺がクスッと笑っていると臨也は身体を後ろに向けてしまった。

「…なんで、笑うのさ」

「っんでもねーよ」

「…ふーん」

不機嫌そうな態度にまた戻ってしまった。
そんな怒るなよと思ったが
林檎のように真っ赤な耳が見えて俺は安心する。

なんだ照れてるだけか…と

初めて付き合ってしたキス
恋人とのファーストキス

俺は臨也のファーストキスを取ったのか?
他にも付き合ってたヤツがいたかもしれねぇ。
そう思うと臨也は情報屋だし、俺のことを殆ど知ってそうだが、俺はなにも知らないんじゃないかと思えてきた。

でもそんな事はどうでもいい

今、俺はこうして臨也と付き合っているんだからな
過去より今が大事だって誰かが言ってた気がするしよ。

一人で頭の中で考えてるうちに臨也はまえから消えていた。
俺の視界には見えなかった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ