DRRR
□思い出
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※生物部前提
若干原作寄り
俺なんかにはいい思い出なんか全くない。
そんなおれの話をきくかい?
アイツとの出会いを話そうじゃないか。…忘れはしないあの時の気持ち
「ねぇねぇ、知ってる?
生物部の人がなんかやらかしたらしいよ、人を刺したとかなんちゃらで。刺したのはあの真面目な折原君なんだって」
まさか、こんなことになるとは思わなかったさ
いつだって出来事は気紛れだ。
時間は数日前にさかのぼる。
「なぁ、新羅…こんなもの育てるだけで生物部は成り立つのかい?」
俺は笑顔でツチノコを育ててるソイツをみて訊ねてみた
すると新羅は
「…これのこと?うん、たぶんなるんじゃないかな!」
多分って何だよ…と思い会話を返す。
「…なんで君は生物部なんて作ったんだい?」
この部を作ったのはコイツだ。
俺はたいして入りたくもなかった。
入りたくて入った訳じゃないし、半ば強引に入ることになったんだ。
寧ろ入りたくなかった、部活なんてめんどくさいし俺は傍観者、人間観察が出来れば十分だったしね。
「うーん…僕の好きな人がね、部活を作ったら?っていうんだよ」
「だから作ったっていうのかい
?」
「うん、そうなるね!」
呆れた。なんで俺がこいつの好きなやつの機嫌の為に部活に入らないといけないんだよ、と言う気持ちが俺の脳裏を過ぎった。
「俺は使われたのか…人数合わせのために」
「いいじゃないか、どうせ君も暇だったろ?」
「まぁ、それは否定できないね…」
そんなこんなで部を始めたばかりの時はあんまりいい雰囲気ではなかったが、時間がたっていくにつれて俺たちは親しくなっていった。
事件が起こったのはその時だった
「…折原ァ…金を貸せよ!おい!」
ひとりの男が金を借りに俺を追って部室にきたのだ。
「君さぁ…この前も借したよね?」
教室でもつきまとってきたけど、部室までくると流石にうざい。
この時は新羅が居なかったから貸し借り現場をみられることはなくて安心していた。
「俺だって、そんなに持ってるわけじゃないんだよ?返してくれない君に貸す義務なんて無いと思うけどなぁ…」
冷たい目で男をみると
男はポケットから何かを取り出していた。
だが、
その正体は直ぐにわかった、
ナイフだった。
そのナイフを俺に突き付けて言ってくる
「はやく…貸せよ…ょ!!うぉお!!!」
ナイフを向けながら俺のところに走ってきた。
俺は逃げようとしたが逃げ道なんてどこにもなかった
刺されるッ!!と目を瞑ることしかできなかったのだ。
数秒後、目の前からグサッと音がした。
やられたと自分の身体を見るがナイフはどこにも刺さってはいなかった
なんでだ…?とおもって辺りを見渡したらそこには驚きの光景があった。
俺の前に、腹から血を流し痛そうに支えてる新羅がいたんだ。