長編・私は貴方の妹です!
□みんなと初対面!
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「ま、待って二人とも!」
絶望的な気分に浸っていると、それまで沈黙を守っていた女の子が口を開いた。
二人に対する恐怖に若干声を震わせながらも、女の子は私をかばうように間に入る。
「私が初めてここに来た時も、似たような連絡ミスがあったでしょ。だからもしかしたら、同じ事が起こってるのかもしれないし・・・」
「あぁ?なんだよチチナシ。言いたいことあんならはっきり言えよ」
アヤトは女の子が間に入ってきたのが癇に障るのか、一層いらついた声で言う。しかし女の子は、意外にもアヤトにしっかりと言い返した。
「だから、酷い事するのはやめてあげて。シュウさんに確認してみようよ」
「貴女にしては珍しくまともな判断です」
「!?レイジ!」
屋敷の中から出てきた三人目の人物。
高身長にすらりとした体躯、上品な物腰にメガネ。
逆巻レイジだ。
「玄関が騒がしいと思って少し聞いていればまったく・・・貴方方は野蛮な対応しかできないんですか?」
「ああ!?うっせーぞ七三メガネ!聞いてたなんて趣味わりーぞ」
「どう行動しようが私の勝手です。・・・貴女」
突然冷たい声で呼ばれ、ピンと背筋が伸びる。
「はい」
「逆巻メイ・・・でしたか。私たちと同じ日本の名字を持つとは甚だ不愉快ですが、なにか事情がありそうなのでなかにお通しします。アヤト、カナト、あの穀潰しを呼んできてください」