長編・私は貴方の妹です!

□コウにい
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ぼんやりと宙を見つめていた。疲弊した精神とは裏腹に身体は調子を取り戻していくのを感じる。

「ふむ、このくらいでいいだろう。まあ、しばらくすれば体調も戻るはずだ」

「・・・・・・っ、う、うん」

反応が遅れてしまった。様子がおかしい私を心配して、ルキは私の顔をのぞきこむ。・・・当然、私には逆効果なわけで。

「おい、大丈夫か?」

「だ、大丈夫・・・!大丈夫・・・」

必死に答えると、ルキはにやっと笑う。

「もしかして、ファーストキスだったのか?」

「っ!?」

その笑みは、確信犯だとでもいうかのような悪い笑みだった。

「そうか。ファーストキスが口移しに飲ませるためとは味気ない。改めてきちんとしなおすか?」

普段の凛々しい表情に戻ったルキが、再び顔を近づけてくる。

「だ、だめ・・・っ!だめだよ!!」

慌てて手のひらを顔の前に持ってくると、ルキはもう耐えられないとばかりにぷっと吹き出した。

「はは・・・冗談だ。慌てすぎだ、馬鹿。・・・まあ、しばらく安静にしておくんだな」

珍しく声を出して笑ったルキは、優しく私の頭の上に手を置いてから去っていった。後に残されたのは、顔を真っ赤に染めてうつむく私だけである。






『・・・・・・んふ。きーいちゃった♪』
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