長編・私は貴方の妹です!
□妹
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「「「ッッッ!!?」」」
私は貴方の妹です。
その言葉で、リビングに衝撃が走った。
シュウ以外の兄弟全員が驚愕に目を見開く。
そして私の言葉が真実なのかと、一斉にシュウに目を向けた。
「・・・らしいな。親父が言うには」
「はあ?突然何を言ってるんですか。僕たちに妹がいるなんて聞いたことありませんよ」
動揺を隠しきれないカナト。
「私はお父様の隠し子。だから知らなくて当然です」
「けどよ、てめえ匂いとか気配がヴァンパイアって感じじゃねーぜ。似てはいるけどよ」
すかさずアヤトも突っ込みをいれる。
私は少しだけ体をこわばらせた。
(でも、これは言わなきゃいけないんだ)
話せばきっと蔑まれるだろう。
けれど私に、話さないという選択肢はなかった。
「私は・・・・・・ハーフヴァンパイアなんです。ヴァンパイアの王たるカールハインツと、人間との・・・禁断の子」
「・・・・・・」
今度こそ、誰も声を発しなかった。
それも当然で、ハーフヴァンパイアとは忌み嫌われる存在。それが突然自分の妹だと聞かされれば、閉口してしまうのは無理のないことだった。
「・・・・・・そう簡単にヴァンパイアと人間の間に子供は生まれない。が、何でだかできて・・・使用人の子供として育てさせたらしい」
「・・・まじかよ」
私の後を継いだシュウの言葉に、スバルは信じ難そうに呟く。
けれど、これが事実なのだ。
どれだけ望んでも、変えられなかった事実。
「私のような存在がお兄さまたちの妹であること、そしてこうして姿を表してしまったこと、まず、謝ります。・・・ですが、これはお父様の意思です」
「意思、とはどういうことです?」
「お父様が私に、逆巻の屋敷へいけ、妹であることは隠すなと」
「・・・一体お父様の目的はなんなのです?」
「わかりません」
「・・・・・・・・・・・・・・・」