長編・私は貴方の妹です!

□妹
1ページ/5ページ


「「「ッッッ!!?」」」

私は貴方の妹です。
その言葉で、リビングに衝撃が走った。
シュウ以外の兄弟全員が驚愕に目を見開く。
そして私の言葉が真実なのかと、一斉にシュウに目を向けた。

「・・・らしいな。親父が言うには」

「はあ?突然何を言ってるんですか。僕たちに妹がいるなんて聞いたことありませんよ」

動揺を隠しきれないカナト。

「私はお父様の隠し子。だから知らなくて当然です」

「けどよ、てめえ匂いとか気配がヴァンパイアって感じじゃねーぜ。似てはいるけどよ」

すかさずアヤトも突っ込みをいれる。
私は少しだけ体をこわばらせた。

(でも、これは言わなきゃいけないんだ)

話せばきっと蔑まれるだろう。
けれど私に、話さないという選択肢はなかった。

「私は・・・・・・ハーフヴァンパイアなんです。ヴァンパイアの王たるカールハインツと、人間との・・・禁断の子」

「・・・・・・」

今度こそ、誰も声を発しなかった。
それも当然で、ハーフヴァンパイアとは忌み嫌われる存在。それが突然自分の妹だと聞かされれば、閉口してしまうのは無理のないことだった。

「・・・・・・そう簡単にヴァンパイアと人間の間に子供は生まれない。が、何でだかできて・・・使用人の子供として育てさせたらしい」

「・・・まじかよ」

私の後を継いだシュウの言葉に、スバルは信じ難そうに呟く。
けれど、これが事実なのだ。
どれだけ望んでも、変えられなかった事実。

「私のような存在がお兄さまたちの妹であること、そしてこうして姿を表してしまったこと、まず、謝ります。・・・ですが、これはお父様の意思です」

「意思、とはどういうことです?」

「お父様が私に、逆巻の屋敷へいけ、妹であることは隠すなと」

「・・・一体お父様の目的はなんなのです?」

「わかりません」

「・・・・・・・・・・・・・・・」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ