長編・私は貴方の妹です!

□プロローグ
1ページ/3ページ

滝のように降しりきる雨。
轟く雷鳴。

真っ黒い空の下、私は傘もささずに突っ立っていた。
目の前には立派なお屋敷の扉。先程からドアノックに何度も手を伸ばしているが、すんでのところでどうしても勇気が出ない。

(うう・・・緊張する・・・・・・)

それもその筈、ここは最強に近いヴァンパイアの兄弟が住まう、それはもう恐ろしい館なのである。
庭の噴水の上に鎮座しているガーゴイルが、私を威嚇するようにじっと睨んでいる・・・気がする。

(・・・けど、こうしてても仕方ない・・・)

私は覚悟を決め、震える手でドアノックに手を伸ばすーーはずが。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ