長編・私は貴方の妹です!
□プロローグ
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滝のように降しりきる雨。
轟く雷鳴。
真っ黒い空の下、私は傘もささずに突っ立っていた。
目の前には立派なお屋敷の扉。先程からドアノックに何度も手を伸ばしているが、すんでのところでどうしても勇気が出ない。
(うう・・・緊張する・・・・・・)
それもその筈、ここは最強に近いヴァンパイアの兄弟が住まう、それはもう恐ろしい館なのである。
庭の噴水の上に鎮座しているガーゴイルが、私を威嚇するようにじっと睨んでいる・・・気がする。
(・・・けど、こうしてても仕方ない・・・)
私は覚悟を決め、震える手でドアノックに手を伸ばすーーはずが。