【EXO BOOK】
□落下の始まり
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【 ルハン side 】
レイに月曜日の英語の授業で会ってから5日目の土曜日。
僕らはまだ携帯の番号を交換していないから、授業でしか会う手段はない。
5日間会ってないだけなのに、僕はレイに会いたくて仕方がなかった。
そういえばレイは休日は図書館にいることが多いって言ってたな。。
僕は、今日レイがいるという保証もないのに、土曜日に図書館に出向いてみた。
テスト前にしか図書館なんて来ないのに、末期症状かもしれない。
図書館に入って隅々の階までレイの姿を探す。
1階、2階、、
今日はいないのかな…。
諦めかけてながらも、図書館の古い階段を3階まで上っていく。
あ…。
3階の奥の方の窓辺の席にまでたどり着くと、そこに夢にまで見たレイが座っていた。
「レイ…」
近付いて声をかけようとしたら、レイは目を閉じて眠っていた。
レイの机の上には教科書とレイの控えめな文字が並んだノートが広げられていて、一生懸命勉強していたんだなぁとわかる。
僕はレイの隣の席にそっと座った。
レイの横顔が、窓から差し込む光に照らされてまぶしい。
それからどれくらいの時間が過ぎただろうか。
僕はレイの隣で、レイを見つめ続けていた。
ふと、レイが目を覚ます。
「ん…ルハン…?」
レイが寝ぼけ眼で僕を見ている。
「ルハンがここにいるなんて……夢じゃないよね」
レイの目がうるんでいる。
「僕、今ルハンの夢見てたんだ」
切なそうに小さくつぶやくレイ。
誰もいない図書館で、僕は気付くとレイの唇にキスをしていた。