小説

□気紛れ
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「船長こっちは手遅れっす」

「そうか・・・・」

「しっかり見てやってくれ!
まだ息があるんだ
命に賭けで助けてくれ!!!」

血だらけの手でハートの海賊団船長に
しがみつく年の行く男

「離せ」

「頼む お願いだお前は医者なんだろ」

「・・・・」

「医者なら自分の命に変えても
人を救うのが使命だろ
こんなに頼んでんだ頼む」

「命に変えて助けろだ?
バカ言ってんじゃねぇ
そいつは手遅れだ俺がどうしようと
助からねぇ 他を当たる」

「クソー!!!」

なおトラファルガーを離そうとしない男を
白クマが後ろから脇を取り
剥がして取った

「船長こっちお願いします」

「あぁすぐ行く」

「頼む息子を息子をォ」

白クマに体の自由を奪われながら
まだ叫ぶ男

「ごめんね
もうその人助からないんだ
最後の時間を大事にしてよ」

「・・・・アァアアアア!!!」

息子を抱きしめ叫び続ける男

「シャチ ペンギン!
クルーと手分けして軽症のやつらはどうにかしろ」

「「はい」」

「キャプテン」

「何だ」

「さっきの人
まだ助かったと思うけど」

「あっ?あぁまぁな
だがあいつを助ける時間で
何人か治療できんだろ時間の無駄だ」

「でも・・・」

「手遅れは手遅れなんだ
普通じゃもうたすからねぇ
今 息を繋いだとして
この状況で生きていけるなんざ
相当 運が良くねぇといけねぇだろ」

「・・・・うん」

「ベポは負傷者を出来るだけ
ここに集めろ」

「そんなことしたら
いい的になちゃわない」

「俺が動き回るのがめんどくせぇ
いざとなりゃROOMで移動する」

「アイアイ!」
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