・短編・

□雪
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凍えそうな冬
任務終わりの
夕方から夜に移り変わる
薄い藍色に染まるレベイユ

積もり始めた雪に気付いた

「明日は銀世界ですネ きっと」

「そうだな」

「任務終わりましたし帰りまスカ」

すーっと冷たい風が路地を抜ける

「ブレイク」

「なんでスカ」

「お前は雪に似てるな」

「はぁ?」

「白いから」

「なんでスカそれ
雪なんて絶対消えてしまうし
消えたら消えたで春が来るでしょ
なので春が来るのが
待ち遠しいから
早く死ねと言ってるみたいじゃ
ないでスカ
まぁ別にいいですけど」

「・・・・うっ
じゃあ北極の雪」

「何いってるんでスカ
それはそれで寂しいものが
あるでしょ
マンモス固めてろってこと
でスカ?」

「じゃあ俺を
マンモスにしてくれ」

「訳のわからない事を
あなたはマンモスなんかに
なれませんよ」

「・・・・・・」

「ワカメなんて冷凍庫で
十二分でしょ」

「・・・・・・」

「ほら 突っ立てないで早く
帰りますヨ
寒いじゃないでスカ」

「じゃあ
ブレイクはケーキだ」

「だから嫌ですヨ
誰かに食べられるなんて
雪と同じで消えますし
しかも雪より早く消えて
残るのはゴミです」

「じゃあウサギだ!
バカ黒ウサギじゃなくて
白い雪うさぎだ」

「嫌ですヨ
牙をも無い役立たずの爪の
弱小小動物なんて
それに夏には
茶色になっちゃいますし
期間限定でスカ?」

「期間限定は困る」

「困るって何でスカ」

「ずっといてもわらないと困る」

「・・・無茶ですヨ」

「じゃじゃあブレイクだ」

「ん?」

「ブレイクはブレイクだ」

「そうでスカ」

「そうだ」

「君の知恵はそこまでですネ」

「・・・鼻リッチのティッシュ箱」

「却下デス」

「俺は絶対買うぞ」

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